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【二輪車】インド二輪車メーカー各社 国内での研究開発を強化

インドで展開する国内外の二輪車メーカー各社はインド国内の研究開発(R&D)センターに何十億ルピーも投資している。国内での研究開発はインド現地消費者のニーズに対応しつつ価格を下げる唯一の方法であり、市場シェアを広げるために必要だ。

 

Honda Motorcycle and Scooter India(HMSI)社の販売・マーケティング担当副社長Yadvinder S Guleria氏は、「国内で研究開発を行うことで開発期間を縮小でき、マーケットへの展開を早められ、短い時間で多くの製品を発売できる」と語っている。同社の二輪車はタイと日本に輸送されて車両の空気抵抗のテスト等を行っているが、これにはコストがかかる。「インド国内で研究開発拠点を設ける最大の利点は、時間だけでなく物流や人員コストも削減できることだ」(同氏)。

Honda India社は2012年10月、研究開発拠点をハリヤナ州Gurgaonから技術センターがある同州Manesarへと移転し、研究開発活動を集中させる。同社は同センターに15億ルピー投資している。
Hero MotoCorp社は40億ルピー投資し、ラジャスタン州Jaipurに技術と研究開発の統合センターを設立している。同拠点では500人を雇用し、部品・エンジン・完成車のテスト用の研究所を抱えている。ここではインドや世界の様々な実際の道路状況でシミュレーションできるテストトラックを備えている。

ヤマハ発動機は2013年4月、同社においてインドで初となる研究開発拠点をウッタルプラデーシュ州Surajpurに設立した。
Yamaha Motor Research and Development India社MDの小林利和氏によると、インド人の要求を満たす新モデルを迅速に開発する必要があり、それには消費者の需要に合った地元の資源や人材等を活用することが不可欠だ、と語っている。「日本で二輪車を開発するとインドよりも8倍コストがかかる」(同氏)ため、販売価格の高騰を抑えるためには、インド国内で研究開発することが不可欠となる。

ヤマハ発動機は従来、ブランドイメージ構築に向けた戦略として高付加価値製品を展開してきた。2012年に35万台の二輪車を販売し、今年は50万台の販売を目標としている。同社は、大衆市場のスクーター事業と低価格モデルを強化することにより、顧客基盤を拡大し目標達成を目指す。将来的には、インドで開発した製品の輸出も行う予定だ。初めはアフリカの一部の国を対象に検討している。

 

一方、インド現地大手企業Bajaj Auto社やTVS Motor Company社は、長年に渡り国内の研究開発に投資してきたが、投資額はここ数年で大幅に増加している。

Bajaj Auto社における2012年度の研究開発投資は、前年比24.8%増となる15.6億ルピー、TVS Motor Company社の2012年度の研究開発費は、2009年度の7.8億ルピーから55%増加し12億ルピーに達した。

 

PricewaterhouseCoopers India社Executive DirectorのAbdul Majeed氏によると、インド市場での二輪車に求めるニーズは特にスタイルや燃費において他国と異なるため、国内に研究開発拠点を持つことは重要だと指摘している。「ある消費者は流行のバイクが欲しく、他の消費者は耐久性を重視する。1つの車種では全てのニーズに対応できず、インド国外でこれらの要求全てを満たすことはできない」(同氏)。

 

インドでの二輪車販売台数は2012年に約1,400万台となり,インドが中国を抜いて世界最大の二輪車市場となったが、インドでの普及率はわずか7%であり、インドの二輪車市場は大きく成長するポテンシャルを秘めている。またインド公共交通機関が依然として不十分であることと若者の労働人口が増加したことを背景に、低価格の二輪車市場はより成熟していくだろう。

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