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【Eコマース】Amazon.com社、インドで配達日時厳守の送料無料サービス展開

100ルピー以上の買い物であれば、本でも送料無料。配達日時も厳密に保証されている。
大手オンライン小売会社Amazon.com社は、オンライン決済制度の不足、インターネット利用率の低さや厳しい物流環境等、数多くの課題を抱えるインドのオンライン小売業界において成功するため、このような施策を打ち出している。

Amazon.com社を支援する投資家は、市場価値1,650億ドルと推定されるAmazon社がさらに成長するには、海外事業の拡大は不可欠だと主張する。同社が展開する新興国の内、インドはブラジルと中国に次ぎ3番目に投資額の多い重点市場となり、同社のVice President兼Country Manager、Amit Agarwal氏によると、その膨大な投資を回収するためには時間がかかると言われている。

インドでは、クレジットカードの所有率が低く、ネットユーザー1.52億人の内、オンラインショッピングの利用者は半数にも満たない。その上、官僚との関係や汚職等の問題もオンラインショッピング業界を複雑化させている。
しかし、市場の潜在力は大きい。

コンサルティング会社Technopak社によると、インドのオンライン小売の売上は、2012年の6億ドルから2021年に760億ドルに達し、100倍以上成長すると予想される。

米国のAmazon.com社にて14年間勤め、今後はインドでの事業展開に携わるAgarwal氏は、下記のように語る。「インド市場の潜在力を掴むためには、多くのアイデアや発明が必要だ。当社はアイデア創出に注力する。我々は、同市場が抱える数多くの問題を解決するために、試行錯誤を重ねている。」

オンラインショッピング普及のための長期的な戦略
comScore社とRetail Decisions社の情報によると、アメリカ人による1回のオンライン取引額は平均150~160ドルである一方、インド人の場合は平均24~35ドルである。

Agarwal氏は2年間に渡り本社で創業者Jeff Bezos氏のアドバイザーを務めており、インドでの展開については以下のように語る。「アメリカでの事業戦略と同様、インドでは長期的な戦略で攻めるべきだと考える。現時点では、インドではネットショッピングの利用者に対して高質なサービスを提供し、まずは彼らの利用活動を促進させることに注力している。」

同社にとって、インドでの最大の競合はFlipkart社である。Flipkart社は、元Amazon.comの2人の社員によって2007年に設立され、現時点では利益創出には至っていない。今年の7月以降、Flipkart社は南アフリカのNaspers社を含め、複数の投資家から3.6億ドルの資金を調達している。Flipkart社は2015年までに売上10億ドルを目指しているとのことだ。

Made for India
Amazon.com社のインド市場への参入は、2012年のJunglee.comの設立が出発点となった。Junglee.comは、消費者が商品の価格を参照・比較することができるサイトである。また、6月に設立された同社のAmazon.comは、インドの規制に基づき、販売業者が集まるマーケット・プレースモデルとして展開している。しかしながら、オンラインショッピングの仕組みに不慣れな販売業者が大半であるため、同社は様々な課題に直面している。
まずは物流関連の問題だ。Agarwal氏は、「当社は販売業者から様々な状態の商品を受け取る。多くの商品が適切に梱包されていないため、当社で梱包し直す時間を含めると配送時間が伸びてしまう。」と語る。同社は、配送リードタイムの短縮や配達日の厳守を強化するため、販売業者との協力や現地物流業者へのトレーニング実施に取り組んでいる。
また、オンライン販売の運営にも戸惑う販売業者が多い。同氏によると、大手業者ですらデジタルカタログの使用経験が乏しく、自社製品を文面で説明することすら慣れていない販売業者が多いとのことだ。
さらに、不安定なインターネット・バンキングの通信環境により支払決済が失敗することが多く、利用者の負担になる上、購入意欲の低下に影響している。同氏によると、Amazon.comはインド特有の決済システムを開発し、不安定な通信状況においても注文情報を保存し購入画面を再度表示することにより、利用者の購買を促進させる仕組みを活用している。また、代金引換による支払サービスも利用可能である。
また、配達時に料金所で長い列に巻き込まれたり、警察からのわいろ要求を避けるために、同社は必要な承認や書類を全て事前に揃えている。
同氏は「当社は手を抜かない。事業展開の一つ一つのステップには時間がかかっているが、コンプライアンスを確立することは非常に重要であり、長期的に見るとこの努力は必ず返ってくると考えている。」と語った。

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