インドの最新業界ニュース、2500社のインド企業情報を提供するポータルサイト

【人材】インドのIT企業各社、国内トップのデザイン学校から積極採用

インドのIT関連企業各社は、ここ数年で商品デザイン業界やモバイルやクライドの先端技術など、新たな分野への参入によりバリューチェーンの拡張を試みている。このような動きに伴い、大手IT企業はNational Institute of Fashion Technology (NIFT)やSrishti School of Arts、National Institute of Design (NID) 、MIT Institute of Designなど国内の優秀なアート・デザイン学校において大規模な人材募集を行う。

インドにおける新卒初年度の年収は、技術系の人材で平均25万~35万ルピーである。しかし、近年Microsoft、SAP Labs、TCS、 Cognizant、Mindtree、Infosys、 WiproやInMobiなどの大手IT企業はアート・デザイン系の学生に対し、約40~50%増にあたる40万から、出身学校によれば最大180万ルピーのオファーを提示するそうだ。この額は技術系の人材の約40~50%増にあたる。

NID-Ahmedabad卒業生の2013年度の就職先データによると、年収提示額が最も高い企業はSamsung R&D社の180万ルピーであり、採用人数が最も多かったのはCognizant社で20人であった。その他にも、TCS社、 Wipro社、Infosys社、Naukri.com社やAdobe社などの大手IT企業が押し寄せていた。初年度の年収提示額の平均は5年前の40万~45万ルピーから、2013年度には70万~140万ルピーに上昇している。また、すべての学生が職務経験を持つNID-Bangalore校では、初年度の年収提示額は平均で100万~140万ルピーであった。2013年度の同校インターフェース・デザイン専攻では、学生44人に対し110件のオファーがあったという。同校では、情報、インターフェース・デザイン、デジタル・エクスペリエンス・デザイン、購買エクスペリエンス・デザインなどの大学院・研究コースが実施されている。

IT産業関連の専攻コースを受講できるNational Institute of Fashion Technology (NIFT)の学生は、数年前まではモバイルアプリ開発のベンチャー企業に就職することが多かった。しかし、最近ではMyntra社、Amazon社、Flipkart社やSnapdeal社などEC系の企業や、Infosys社やWipro社などの商品デザイン部門に採用されるケースが多く、NIFTの卒業生の約20%がIT系の職業に進み、初年度の平均年収は40万ルピーに及ぶ。

SAP India社、採用担当のAnil Warrier氏は、「IT業界におけるデザイン系の人材の需要に対し供給が追い付いておらず、結果として彼らの報酬額を上昇させている。」
同社は2年前からデザイン学校からの採用を行っており、今後も採用人数を増やしていく見通しだ。
「当社はデザイン学校から常時インターンを6、7人ほど雇用しているが、できるのであれば彼ら全員を採用し、さらにインターンの人数も増やしたい。我々の制作拠点は、世界におけるデザイン開発の中心になりつつある。創造性という観点からでも、アメリカ人のデザイナーと比べインド人デザイナーの方が優れた技術を持っていると評価されたこともある。」(同氏)。SAP Labs社は、アメリカ、ドイツ(フランクフルト)、アイルランド(ダブリン)、トルコ(イスタンブール)とイスタンブール(テルアビブ)にデザインセンターを構えている。

Myntra社では、デザイン系の人材はマーケティング、品質管理、ユーザーエクスペリエンスなどの事業分野やECなどのオンライン事業にも起用される。
Myntra社ヒューマンリソース部門のVP、Pooja Gupta氏は、「創造性やデザイン性に富んだ技術系の人材を見つけ出すことは非常に難しい。当社は幅広いレベルの学校から人材を採用しており、NIFT校出身者には初任給40万ルピー、NID校は80万~100万ルピーの年収を提示している。」と述べる。

Microsoft社のIndia Design Studioは、NIDs校、IIT-Bombay校、Symbiosis Pune校、MIT-Puneから製品部門のマネージャーと協業するデザイナーやエンジニアを採用している。Microsoft India 社の人事部門、統括Rohit Thakur氏は、「我々の人材戦略としては、国内トップのデザイン学校から人材を確保することが狙いだ。インド国内のソフトウェア業界は成熟期に到達しており、デザインやユーザー体験が非常に重要な差別化要素である。また、製造業もデバイスやアプリケーションによる製品の付加価値により重点を置き、デザインに注目するようになっている。

一覧に戻る