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【Eコマース】アマゾン、インド事業に20億ドルの増資を発表

現在インドのEC市場では、トップ2社の間で激しい市場争いが繰り広げられている。国内でトップシェアを占める地場EC事業者Flipkart社が発表した10億ドルの資金調達の計画に続き、世界最大手のAmazon社はインド事業に対して新たに20億ドルを増資する方針を発表した。米国シアトルに本拠を置くAmazon社はインド市場に進出してわずか1年間で600億ルピー以上の売上を達成しており、今回の新たな資金投入は同市場において首位獲得を目指す同社の強い決意を示している。

Amazon社の創業者兼CEOのBezos氏は、下記のようにコメントした。「このような事例は見たことない。インド事業は1年目にして、ユーザーや中小企業から期待をはるかに超える反応を受けている。」

2014年第2四半期の決算発表において、同社は売上高193億4,000万ドルに対し1億2,600万ドルの赤字を報告した一方、Bezos氏はその1週間後に新たな投資計画を発表した。同社の中国事業は、最大手Alibaba Groupの圧倒的な独占により苦戦しており、今回の動きは同社が今後インド事業の拡大に注力していく方針を示している。

一方で競合Flipkart社は、南アフリカのNaspers社やTiger Global Management社などの既存の投資家に加え、近日はシンガポールのファンド企業GIC社も資本参加しており、リスク・キャピタル・ファンドを通じこれまで計17億ドルの資金調達を実施した。同社のCEO、Sachin Bansal氏によると、投資家は同社の市場価値を70億ドルと推定しており、直近の資金調達は「同社主導で市場を形成する」ために活用されると述べる。投資先としては、商品価格の引き下げ、企業買収、物流網の強化やモバイル決済技術の向上などに投入される見通しだ。「我々は地場企業の強みとして現地に根付き、消費者とより深い関係性を構築することができると確信している。」(同氏)

積極的な事業展開により、Amazon社は既に28の製品カテゴリーにおいて1,700万以上の製品を展開しており、出店者数は8,500件を超えている。また、近年同社は国内に5拠点の倉庫施設を新設し、在庫保管容量をそれまでの2倍にあたる50万平方フィートに拡大させた見通しだ。「我々は当初からインドで最も顧客重視の企業になることを掲げてきた。」とAmazon.in社のVice President兼Country HeadのAmit Agarwal氏は述べる。

また、オンライン小売事業者による市場争いは、近年モバイル上でも活発化している。Amazon社によると、モバイル端末を通じた売上額は売上全体の約35%を占めており、Flipkart社やSnapdeal社の場合は約50%を占めているとのことだ。
Amazon社の2014年度の売上は、現時点でもう1社の競合Snapdeal社と並び6億ドル(約360億ルピー)であり、通期で10億ドルの達成を目指している。また、2013年度に10億ドルの売上高を突破したFlipkart社は、今年度は30億ドル(1,800億ルピー)を売上目標として掲げている。

近年、同市場では大手各社が積極的な値下げ戦略を打ち出しており、最大85%引きの値下げを行うケースも見られる。「短期的に見ると、値下げ競争は今後もさらに激しくなる見通しだ。これは消費者にとっては良いものの、より小規模な事業者には悪い影響を与えるだろう。」と投資銀行Avendus Capital社でDigital Media and Technology部門のExecutive Directorを務めるAashish Bhinde氏は述べた。

また、小売業界のコンサルティングを手掛けるWazir Advisors社のManaging Director、Harminder Sahani氏は、多額な資金を持つFlipkart社やAmazon社にとって、ベビーケアや家具など単一の製品カテゴリーを扱う企業は有望な買収先となると予測している。「(オンライン小売の)市場が十分な規模に拡大した時点で、我々はTataやRelianceなどの国内大手財閥が市場に参入すると見込んでいる。」

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