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【電力機器】インド都市圏鉄道を支える最新の電力システムと、インド電力安定化に向けた問題

【メトロ(都市圏鉄道)の電力システム】
スイス重電大手のABB社はインドのメトロ鉄道システムに鉄道用電力設備を提供している。同社マネージング・ディレクターのBazmi Husain氏によると、「我々は『第三軌条』と『架線による電力システム』の両方を提供できるインド唯一の会社だ」と語る。第三軌条は黄色のカバーで覆われている。そうでなければ、750Vの電圧で、誤って踏んだ人が死んでしまう。

同社はカルナータカ州バンガロール市のメトロで利用されている第三軌条(鉄道車両に電力を送るためのレール)や、デリーメトロに架線技術を提供してきた。「シンプルな技術を使うことにより長期的に見て割安になる。しかし、架線は見た目が悪い」と彼は語る。

メトロ鉄道システムのサブステーションは、同システムの電力源となっておりABB社の制御室もある。Husain氏によると「切符には近距離通信技術が使われていて、再利用可能だ。スイスの鉄道インフラは数十年前に構築されたものなので、そこではまだ紙のチケットが使われている。我々はあらゆるステップに冗長性を確保している。そのため、電力系統の一部に問題が発生しても、電車が止まることはない」

いくつかの都市では古く汚い電柱上のシステムを排して、コンパクトなサブステーションに投資している、とHusain氏は話す。また、いくつかの都市では、見苦しい頭上の架線を捨て、地下電気配線に切り替え始めている。

 

【電力オートメーションシステム】
Husain氏によると、カルナータカ州では、世界最大の電力オートメーションシステムが利用されているという。中央制御により州にある何千ものサブステーションを監視でき、そこで起きていることを把握できる。「よりよい送電戦略を検討することが可能だ。問題が発生したときに早急に復旧計画を検討できる。中央モニターシステムがあれば、自動復旧技術の導入もできる」

 

 

【電力消費者側の省エネ施策が重要】
インドで発生する停電について、以前と比べより一般的な出来事になっているとのことだ。「我々の電気系統は非常に頑健になった。中国やインドの電力インフラは、既に整備されているアメリカやヨーロッパと比しても遥かに近代的になっている」

インド電力事情の問題点としては、ピーク電力が12%欠如している点にある。現在建設中の80ギガワット級の発電所が稼働しても、この数字は19%にまで上昇すると見られている。

電力供給の安定化のためには、送電による損失(その大部分は盗電による)を縮小することも問題解決の一つだ。過去数年でその割合は6%ほど減少し24%となった(世界的な損失率は6%だ)。

また、それ以上に電力消費者側の省エネ施策が重要だ。インド工場はエネルギー効率が30%と世界水準と比較しても低い値だ。例えば、某工場ではモーターがエネルギー消費の60%を占めている。「そこのモーターはアクセル全開の車のようにまわり続けている。しかし、もしモーターの回転を必要に応じてコントロールできるようになれば、大幅な省エネになるだろう」(同氏)

エアコンは、もうひとつの大量消費者だ。ヨーロッパのある地域では、建築物に三重構造のガラスを使うことが義務づけられている。それにより外気を遮断し、室内での空調の利用を減らすことができる。「インドでは、いまだに一枚ガラスが使われている。二重ガラスですらない。オフィスやショッピングモールは急成長を遂げており、消費者側での対応が重要だ」(同氏)

 

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