インドの最新業界ニュース、2500社のインド企業情報を提供するポータルサイト

【家電】インド耐久消費財市場、国内ブランドの挑戦

ブラウン管(CRT)テレビや騒々しいクーラーから、派手なハイビジョンテレビや静かなスプリット型エアコンまで、インドの消費者はいつの間にか耐久消費財製品の選択肢の多さに悩まされるようになった。この20年間で、数多くのブランドや技術が上昇・衰退しただけではなく、インドの消費者の好みや優先順位も急速に変化している。

1990年代半ば、当時は複数の国内企業により独占されていた耐久消費財市場には、経済の自由化により多国籍企業の参入が相次いだ。海外の企業の参入に伴い、新たな技術も参入した。
2000年代前半には、ローンや融資制度の発展により、冷蔵庫やテレビなどの消費財が手頃な価格となり耐久消費財の購入を後押しした。贅沢品と見なされていたエアコンも、中間層の家庭に購入されるようになった。
2000年代後半、ハイビジョンテレビのような新技術の製品が出現した。これは、インド国内の企業が農村部への展開を検討し、市場における優位性を確立しようとしていた時期だ。現在、農村部における耐久消費財の普及率は都市部と比べ未だ低いものの、急速に成長している市場である。
近年では、所得水準の向上、共働きの増加や消費者の関心の向上等、成長市場を示す要因が揃っていることから韓国の大手メーカーも続々と市場へ参入しており、数年前からはトップ企業として市場を支配している。

では、インド耐久消費財市場における韓国ブランドの成功要因な何だったのだろうか?Voltas社Unitary Products Business Group (UPBG)、Marketing HeadのDeba Ghoshal氏によると、韓国企業による成功は、顧客獲得に向けた革新的な製品開発と独自ブランドの差別化への注力が決定的な要因となったとのことだ。また、同氏によると、これらの韓国企業は、販売店、代理店やその他流通パートナーに対し競合他社より高いマージンを提供し、販売員のモチベーションを上げることに成功した。さらに、輸入品に依存するのではなく、インドでの製品開発や製造に焦点を当てることにより、製品価格を抑えることができたそうだ。また、PwC India社Executive Director、Rachna Nath氏は、手厚いアフターサービスの提供が韓国企業の成長を支えたと考える。

近年では、多くの国内・海外メーカーがこれらの成功ストーリーを参考に事業展開し、市場の競争が激戦化しているものの、韓国企業は市場の上位を保ち続けている。また、スマートフォン(以下、スマホ)の急速な出現と普及により、各プレイヤーが市場におけるシェア獲得に必死である。インドの消費者はスマホのアップグレードや買い替えには非常に意欲的であり、その他の消費財製品と比較しても圧倒的に消費者の関心が強い製品である。業界関係者によると、インドの耐久消費財市場は必ずしも韓国企業による独占が続くとは限らず、すべての企業にも事業機会はあると述べている。

“Onida”ブランドを展開する国内の耐久消費財メーカーMirc Electronics社は、多国籍企業により独占されている市場において、新たな事業戦略を計画している。同社のCEO、Y.V. Verma氏は、「インド国内の企業にとっては、確かに非常に競争的な市場となっている。多国籍企業に勝つためには、システムやプロセスを刷新し膨大な投資を行う必要がある。しかし、我々のような国内企業には、インドの消費者の需要を熟知しているという最大の利点がある」と述べている。
Mirc Electronics社以外にも、同じような挑戦を抱える国内企業は多数存在する。1968年からインドにおいてテレビの販売を行ってきたSalora International社の売上は近年著しく停滞していたが、LEDテレビ市場への参入に伴いブランドの再構築を行う決意をした。同社は、ブラウン管テレビの製造を続ける一方、競争力のある価格で大画面の製品を提供することで、急成長しているLEDテレビ市場の機会を活用したいと考えている。ほとんどの多国籍企業がブラウン管テレビの製造を停止しているが、需要がある限り大手企業による市場からの撤退は、同社にとって事業機会として捉えているとのことだ。また、LEDテレビの販売については、特にLEDテレビへの移行が進むTier IIや農村部の市場において販売を強化する計画である。
Frost & Sullivan社の推定によると、デジタル化、買い替え間隔の縮小や消費者の可処分所得の増加はインドの薄型テレビ市場の成長を促進させており、同市場は2015年に63.9億ドルに達すると予想されている。

一覧に戻る