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【環境】インドの大手電機メーカー、大半が電子廃棄物処理の基準に従わず

環境NGO団体Toxics Linkが発表した最新調査レポート”Time to Reboot”によると、インド国内では大手電機・電子機器メーカーのほとんどが、電気電子機器廃棄物リサイクル法(2011)に規定されている「拡大された生産者責任」(EPR: Extended Producer Responsibility)を果たしていないことがわかった。また、電子廃棄物生産者によるインベントリの管理、保管施設の確保、リサイクル施設の許認可や電子廃棄物の保管に関する指導などの責務が委託されている州公害管理局(State Pollution Control Board)の多くが、実質機能していない現状も報告された。2011年のデータによると、州別の電子廃棄物の発生量はアンドラ・プラデシュ州が42,684.2MTで最も多く、次いで西ベンガル州が34,124 MTであった。

同調査では、携帯電話、パソコン、家電、カメラメーカーを含む国内の電子機器メーカー大手50社の電子廃棄物処理・管理の実態が評価された。対象となった50社の内、16社は総合評価として最も低い格付けに判定された。調査カテゴリーは、自社ウェブサイトにおける廃棄物処理に関する十分な情報掲載、適切な電子廃棄物の回収システム、回収拠点の設置数、及び使用済み製品の回収に関する情報提供や顧客サポートの実施などであった。

使用済み製品の回収に関する情報提供については、15社が「あまり適切でない(”not so good”)」と評価されており、その中に回収拠点を設置している企業はいなかった。「適切である(”good”)」と判定されたのは、Canon India社、Intex Technologies社、Lenovo社、Nokia社、Onida社、Panasonic社とSansui India社を含む7社のみであった。

Toxics Linkが州公害管理局に対して電子廃棄物の管理に関する実態調査を行った結果、28州6連邦直轄領の内、7州のみが電子廃棄物の発生量を管理するインベントリを既に作成しており、4州は作成中という状態であった。その他19州については、電子廃棄物インベントリの管理インフラが一切構築されていないと報告された。

また、電気電子機器廃棄物リサイクル法に基づき、州公害管理局から生産者としての許可を取得した電子機器(EEE)生産者の数が最も多いのはデリー州であった。デリーでは2013年7月までに22業者から申請があり、州公害管理局は17業者に許可を認定した。一方で、同局は13業者に対して、電気電子機器廃棄物リサイクル法(2011)違反の指令を告知している。

Toxics LinkのChief Programmme Coordinator、Priti Mahesh氏は下記のように述べた。「消費者から電子廃棄物を回収する”回収システム”(take back system)の概念は、多くの企業に軽視されているのが現状である。調査した企業の3分の1が回収システムを設けておらず、半分以上が回収拠点に関して消費者に何の情報提供も行っていないことがわかった。」
調査対象となった50企業の内、回収拠点が100箇所以下であった企業は46社に及んだ。国内の電子廃棄物発生量が急激に増えている中で、回収拠点の不足は深刻な課題であると指摘された。

国連環境計画(UNEP)のデータによると、現在インド国内では年間270万トンの電子廃棄物が発生しており、2030年までには現在の500倍に拡大すると予測されている。
Toxics Linkの記者会見では、「深刻なのは電子廃棄物の発生量だけではなく、それに伴う有害性である。電子廃棄物には、毒性の高い化学物質、重金属や、水銀・鉛・臭素系難燃剤などの有害物質が含まれており、これらは人体や環境に著しい被害をもたらす。」

さらに同調査では、インドとその他世界各国の間で電子廃棄物に関するコンプライアンス水準の格差が生じていることが指摘された。
Toxic LinkのAssociate Director、Satish Sinha氏は、「インド以外の国々では、大手企業は廃棄物処理のグローバル基準に従い、効率的な仕組を設置し社会的責任を実行することが多い。しかし、同じ大手企業でも、インドでは全く異なった基準に従う企業が多い。」と語る。

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