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【保険】インド保険業界 新市場開拓の動き

インド保険会社にとって、インド国内での自動車販売売上が減少したことは重大な影響を被っている。インド保険会社が提供している損害保険のうち、自動車保険は4割を占めている。インド保険規制開発庁(IRDA)によると、インド損害保険産業の成長力は、2013年4月時点では20%であったが同年6月には11%にまで減少している。

インドにおける保険分野での規制や低調な国内経済状況を受けて、インド生命保険業界の成長力は影響を被っている。インド保険規制開発庁(IRDA)が2011年に施行したユニットリンク型保険商品(ULIP)の規制改訂により、販売業者が受け取る手数料が大幅に削減され、民間事業者の事業活動を直撃した。2013年度の生命保険の保険料収益も、前年2012年度の約1兆1423億ルピーから約1兆701億ルピーへと減少している。

 

このような中インド保険業界各社は新市場の開拓や自動車保険以外のニッチなセグメントへの参入などを展開している。

 

インド経済の低迷や都市部での低調な自動車販売状況の影響を被っているインド保険業界にとって、インド農村部は新たな市場展開先として有望な地域だ。
インド大手保険会社New India Assurance社は、現在農村部や準都市部に300店舗を展開しているが、今年は更に500店舗開設する。またFuture Generali社(インド小売大手Futureグループと世界最大手イタリアGeneraliグループの合弁会社)も今年度、農村地域に展開予定だ。
Bajaj Allianz General Insurance社のMD兼CEOの Tapan Singhel,氏によると、低調なインドの経済活動は都市部から小規模都市地域へと移り変わっており、その中で保険会社各社も準都市や農村地域に進出することで事業機会を見出そうとしている。同社はTier-Ⅲ都市に20拠点開設し、まもなく営業活動を開始する模様だ。

このような状況の中で、「我々は個人を対象とした保険に注力していく」と語っているのはFuture Generali社MD兼CEOの K.G. Krishnamoorty Rao氏だ。またインド大手保険会社Reliance General Insurance社も同社の売上の64%を占める自動車保険頼りの傾向から、健康保険の比重を高める計画を進めている。

インドにおける厳しい事業環境下において、旅行保険や身元保証保険、天候保険、動物保険などのニッチなセグメントに参入する動きもある。統計データによると、上記ニッチセグメントでの保険料収益は2012年度の704億9,370万ルピーから2013年度は16%増となる839億7,190万ルピーと増加している。ただ新規セグメントへの参入は各社の収益を圧迫しており、民間事業者23社のうち9社が2012年度に純損失を出している。

 

保険会社各社は新規市場への参入を進める施策の他にも、収益力が低い店舗の閉店や店舗拡大計画の見直しを進めている。HDFC Life社のHR部門幹部によると、同社の営業経費は2009年に29%であったが2011年には11%まで縮小している。
インド国内の保険会社店舗数は2011年12時点で11,100社であったが2012年12月時点では10,300社と減少し、併せて従業員数も同年247,550人から245,993人と減少している。

また、テクノロジーを活用したコスト削減施策を講じている保険会社もある。
ICICI Prudential社では販売プロセスを効率化するために、代理店業者に対してタブレット端末を支給している。支給されているタブレット端末にはPOS機能が備わっており、顧客はその場で決済が可能になる。

 

インド保険業界が活性化するためには、短期的にはコスト削減施策は有効な取り組みではある。ただし今後中長期的に活性化するためには、例えば保険分野における海外パートナー企業との提携等の動きも必要になるだろう。

 

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