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【小売】インドの小売店、クレジットカードの利用者が急増

インドの小売店では近年クレジットカードやデビットカードの利用率が増えている。偽造通貨やブラックマーケットの管理が軽減されることから、これはインド中央銀行やインド政府にとっては良い傾向として見受けられている。

国内トップ8の小売業者、Future Group、Shoppers Stop、Spencer’s、Wills Lifestyle、John Player、Woodland, NextやThe Mobile Storeによると、今年、大都市ではクレジットカードやデビットカードによる支払額が現金での支払額を上回ったとのことだ。これまでインドの消費者はカード払いより現金払いを好むと信じられてきたが、これはその考えを覆し大都市の消費者行動の成熟を示す事実となった。

「クレジットカードやデビットカード払いの利点は利便性と安全性である。その上、貨幣の製造コストを削減することもできる。」こう語るのはCARE RatingsのChief EconomistのMadan Sabnavis氏である。「これらのカードは過去の支払の詳細が全て記録されるため、大量の取引の記録を追跡するためにも便利になる。」
Future Retail社のJoint Managing DirectorであるRakesh Biyani氏は、「クレジットやデビットカードの利用は、ここ2年間で年間7~8%の成長を見せている。」とコメントしている。

Shoppers Stop社のManaging Director、Govind Shrikhande氏は、クレジットやデビットカードの成長要因の一つとして、持ち運びやすさを挙げている。Shoppers Stop社のデパートやFuture Retail社のファッションストアCentral and Brand Factoryでは、全体の売上金額の内、約55%がカード決済とのことだ。
また、靴とアパレル商品の販売店であるWoodlandでは全体の売上金額の約52%がカードによる支払いである。Spencer’s Retail等の食料品の小売店においても、都市部の店舗ではカード支払額は総売上の約52%を占め、Big BazaarとFood Bazaarでも約40%を占めている。

Wills LifestyleやJohn Players を運営するITC社Lifestyle RetailのChief Executive、Atul Chand氏は下記のように語る。「クレジットカードを始めとするカード利用の普及は若い消費者や働く女性の増加、クレジットカード取得の簡易化や消費者による衝動買いの増加により牽引されている。」

消費者にとっては、クレジットカードの利用により負債が増加する可能性があるが、政府にとってクレジットカードの普及は経済発展につながる上、クレジットカード利用のサービス税からも収益が増えることになる。

インド準備銀行(RBI)によると、2012年度のインドにおけるデビットカードのユーザー数は3億3,100万人であり、クレジットカードのユーザー数は1,950万人であった。国内のカード利用率は毎年30%増の成長を遂げている。
CARE RatingsのSabnavis氏はこの数値について下記のようにコメントしている。「このデータはユーザーだけではなく決済システムも成熟していることを示している。国内の小売業の組織化が進むと共にカード利用は益々浸透していくだろう。」

RBIによるカード取引のセキュリティ強化もカード利用の普及に貢献している。RBIは国内の銀行に対し、SMSを利用したカード利用のお知らせサービス、ICチップ搭載のカードやその他の認証システムを導入することを義務付けている。

今年はApple社、Samsung社、LG社やSony社等によるEMIシステムの導入により、家電小売店におけるカード利用率が大きく増加した。インド最大の携帯電話の小売業者The Mobile Store社のCEO、Himanshu Chakrawarti氏によると、この1年間で同社の店舗におけるクレジットカード取引は5~6%増加し、現在は全体の取引の56%を占めている。

小売業者によると、消費者はクレジットカードやデビットカードを利用して買い物をする時は、普段よりも多くの金額を支払う傾向がある。Wills Lifestyleでは、カード取引の平均取引額は現金と比べ20%高く、Future Retailでは25%高い傾向にあるとのことだ。The Mobile Storeではカード決済の平均金額が16,000ルピーである一方、現金決済の平均金額は8,000ルピーである。

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