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【小売】ネット通販各社 試着や実店舗展開等で市場掘り起こし狙う

テクノパックの調査によると、インドのeコマース市場はインターネット環境の整備やデバイスの普及、ライフスタイルの変化などを受け活性化している。2012年のeコマース市場規模は140億ドルに対してe-tailing(電子小売業)は10億ドルとのことだが、2017年には135億ドルまで急成長すると予測されている。現在は若者層を中心に利用が広がる一方で、オンラインショップを利用することに抵抗感を覚える消費者も少なくない。オンラインショップ各社は消費者の信頼や安心感を向上させるために各種施策に取り組んでいる。

自社ブランドを持つアパレル製造・販売のゾビは、ウェブカメラで撮影された姿と商品を重ね画面上で試着する仕組みを導入した。この導入効果は大きく、ウェブサイトのコンバージョン率は25%を超えている。同社はこの戦略を最大限利用するために、テレビ広告展開などを行いブランド認知キャンペーンを展開している。また、顧客に安心感を持たせるために、ショッピングモール内等の人目がつく場所で実際の製品を展示する等、オフラインでの存在感も出していく予定だ。インドのファッション用品オンラインショップMyntraは、インタラクティブ性を考慮したバーチャル試着室“スタイル・スタジオ”を展開している。ウェブカメラで写真を撮ることで仮想的に試着が可能であり、またその試着画像をフェイスブックやツイッターで友人と共有できる仕組みだ。

同社は最近、「Try & Buy」コンセプトに基づく販売施策を展開している。商品を顧客宅に配送し、試着した後に購入を決定するという、実際の店舗販売と同じ販売方法だ。このサービスを展開後ウェブサイトへのアクセス数が急増した。月平均のトランザクションは25万件にのぼる。共同創設者・Head of sales:Ashutosh Lawaniaは「順調に、今会計年度の売上目標50億ルピーに向かっている」と話した。

マルチブランドのファッション通販企業:Fashionaraは、実店舗の販売員のようにコーディネートのアドバイスを行う“オンライン・スタイリスト”を導入している。

インドのオンライン旅行サービス最大手メイクマイトリップはオンライン利用への誘引を図るために実店舗を展開しており、航空券の購入やホテル予約等を取扱う。現在45都市に58の実店舗を構え、小売事業の30%が実店舗で販売されている。同社販売部長Manish Kalra氏によると「一度実店舗をご利用されたお客様は次回からポータルサイトを利用する傾向がある」とのことだ。

ネット通販に抵抗感がある消費者の信頼を得るため、ネット通販各社は実販売や試着体験等の各種施策を進めているが、一方でオンラインに絞った施策をとる企業もある。

新聞出版社ザ・タイムズ・グループ子会社タイムズインターネットはネット通販サイト“Indiatimes Shopping”を運営しているが、オフライン展開ではなくソーシャルメディアとウェブサイトを中心に展開する。

インドの新興市場であるネット通販業界での取組について、コンサルティング会社テクノパック・アドバイザー代表Arvind Singhal氏は「ネット通販は長期的に見なければならない。インドで最初のネット通販での成功を収めるために、焦って短期的な結果を求めてはならない」と指摘する。

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