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【小売】インドにおけるショールーミングの脅威と実店舗での対抗策

ニューデリーの某大手家電量販店の店舗責任者によると、2012年のディワリでは、来店されるお客様は多かったが、商品を見つけ、使い方を試して最安値を調べると、購入せずに去る客が多かったとのことだ。このように、店舗では商品を見るのみで購入はネット通販で最安値を探して購入する消費行動は「ショールーミング」と呼ばれている。 欧米の家電量販店は既にこのショールーミングで苦しんでおり、インドでも同様に脅かすとは限らないが、注意する必要があるのは間違いない。

従来であれば家電製品は実店舗に来店しないと購入できなかったが、FlipkartやIndiatimes Shopping等のオンライン販売が普及することで、消費者の来店は遠ざかっている。「ショールーミングは小さい製品から見受けられ始めた。実店舗が改善されなければ、より顧客はオンラインに流れるだろう。」とVideoconグループchief marketing officerのHS Bhatia氏は話している。

オンライン販売の隆盛に対してその脅威を認識した各家電量販店は、オンライン販売に対抗するためにもより魅力的な店舗開発や協働を模索し始めている。例えば、採算の取れない店を休業することでコスト削減を進めつつ、その他は店舗面積の見直しや顧客サービス向上、オフラインとデジタルの連動、スタッフの技術トレーニング等を行っている。

Reliance Retailの耐久消費財及び家電部門のReliance Digitalは客足を売上につなげるためのプレ・セールスサービスを考案した。TVを購入する見込み顧客に対して専門スタッフが顧客宅に訪問し、設置予定の部屋や顧客の要望を踏まえて最適なTVモデルを提案するサービスだ。

Videoconグループの耐久消費財及び家電部門のNext RetailやDigiworld等の小売業者は、商品を実際に手に取って試せることに付加価値を置いている。Videocon社ディレクターのAnirudh Dhoot氏によると、インドでは家族全員で来店し、実際に商品を試すことで購入商品を決定するとのことだ。Videoconの各店舗ではショールームを明るくし、品揃えを豊富にする等店舗環境を強化したり、スタッフの育成を定期的に実施する等の接客品質を向上させることで、消費者家族の来店を増やすことを狙っている。

全127都市に800店舗以上展開するEssarグループ携帯小売部門であるMobile Storeでは店舗の顧客サービス水準を引上げることで顧客満足体験を重視する施策を講じている。例えば2012年11月上旬、PuneでMobile Store Loungeをオープンしたが、店舗スタッフとしては全て訓練されたスタッフや、様々なスマートフォンのトラブルシューティング方法や特徴・仕様を説明する端末を持ったスタッフを配置している。

実店舗での各種取組が模索される一方で、ECサイトのIndiatimes Shoppingを運営するTimes Internetは、実際に手に取って試すことで購入時に顧客が混乱すると考えている。販売員が不正確な情報を提供してしまう可能性があり、また試すだけでは複雑な技術を理解できないからだ。Indiatimes Shoppingでは1日に2000個以上の商品が注文されており、この半年でタブレットや携帯端末、LCD/LEDテレビが急速に販売されている。

Yebhi.comも1年前デジタル機器の販売を開始し、それもまた驚異的な売り上げを記録している。Yebhi.com CEOの Manmohan Agarwal氏によると、総売上の25%をデジタル機器が占めているとのことだ。

このようにオンライン販売と実店舗販売は対立しているように映るが、専門家らは両者が共存する余地はあると見ている。Technopak Advisors社のPragya Singh氏によると、 耐久消費財及び家電製品のオンライン売上げが急上昇しているとはいえ、同製品の総売上に占めるオンライン比率は2017年でも5%に満たないと見られる。ただし、オンラインへの顧客の流入を食い止めるためにも、実店舗では単なる製品販売ではなく、顧客満足体験や顧客の信頼獲得・利便性の向上に向けて各種施策を講じていく必要があると警告している。

 

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