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【サービス】インド大手メーカー各社、独立系デザインスタジオを活用した製品開発

Hindustan Unileverの浄水器部門が新製品を早急に展開するため、カルナータカ州バンガロールにあるデザイン事務所StudioABDを利用した。

同部門のGlobal Brand Director であるAnupam Bokey氏は「新製品の開発から発売までには、一般的に1年を要する。この開発期間を短縮できないか、これまでずっと考えていた」と語った。StudioABDを利用することで「これまでより格段に早まり全工程を3~4ヶ月で完了した」とのことだ。

製品のデザインについて、各企業は見た目だけでなく、ブランド力強化やコスト削減などでも効果があることを認識し始めている。費用はプロジェクト内容や契約内容にもよるが、30万~1,500万ルピーの報酬が支払われている。

Sonia Manchanda氏(Future  GroupのKishore Biyani氏の投資によって設立したIdiom Design共同創設者)によると、デザイン性への注力は消費者のニーズに応じた結果とのことだ。「現代の消費者は知識や情報が豊富だ。以前であれば広告は効果的かもしれないが、今日では消費者は豊富な情報を持ちより良い製品を求めている、と同氏は見ている。HULのBokey氏も同じ見解であり、「デザインはブランドの位置づけやイノベーション、コスト削減にも寄与し得るものだ」という。

StudioABD以前にTitanでデザイン・マネージャーを務めたBansod氏は「我々は、ブランド価値と技術そして消費者の望みを1つの製品に反映させて、市場での価値を高めることができる」と語る。

各民間企業は、視野が限られがちな企業内部でのデザイン設計ではなく、外部のデザインスタジオを活用している。また企業はデザインスタジオに対して、単なる製品デザインではなく、戦略や開発、流通等にまで踏み込んだデザイン設計をも期待している。

例えば、Godrej & Boyce’s security solution部門はムンバイに拠点を置くFuture Factoryと協働で金庫の開発及びホームセキュリティ部門の新戦略立案を行っている。

その他、チェンナイに拠点を置くデザインコンサルティングのCentroid Creative Hubb(2005年設立)はイタリアの農業器具メーカーSAME Deutz-Fahrのトラクターをインド市場へローカライズさせるためのデザイン設計を担った。「インドの農民がなめらかなデザインのトラクターよりもゴツゴツとした頑丈に見えるデザインを好むことが分かった。」と、インド工科大学を卒業し、以前はRoyal Enfield MotorsのIndustrial designのトップを務めたManickam氏は話す。

同社は2012年度に2,000万ルピーの売上を狙っており、分野に捉われず様々な製品のデザインを受託している。「今日使える素材と進歩する技術を使って、コストを抑えてより良いデザインによる付加価値の創出は可能である」と、Padma Bhat氏(The Himalaya Drug社マーケティング統括)は語る。

バンガロールでは、デザイン会社Tycka DesignがCEMA Electric Lighting Productsの依頼で蛍光灯の照明設備開発を任された。Tyckaはチームを編成し、長方形のホルダーを取外し、丸みを帯びた折り畳み可能な装飾ホルダーで様変わりさせた。「最終成果物は、デザイン性が高いまま、よりシンプルにすることでコストを削減できる。更に折り畳み式のため持ち運びし易くなった」とVijay Krishnan氏(CEMA社)は話す。Tyckaは2004年に個人事業主として始め、2009年に非公開会社となった。同社は2012年度に1,000万ルピーの収益を目標としている。

各企業の間で製品デザインの枠を超えた重要性は高まっているが、デザイナーやデザインスタジオ自身が持つ価値を本質的に理解し、デザインスタジオ自身が変革することが必要だと指摘する声もある。

 

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