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【美容】インド美容サロン業界 市場拡大と共に競争激化

10年前、LakmeはColabaのWodehouse roadにおける唯一の美容サロンであった。現在はこの道には他に7つのサロンがある。フランスの高級サロンであるJean-Claude Biguineから、Butterfly Pond、Rougeなど新進の起業家によって運営されているサロンまで、その種類は多岐にわたる。ムンバイ南部の法外な不動産コストは障壁ではないようだ。

また、Habib、Lakme、VLCCのような国内企業が運営するサロンだけでなく、SaksやTony & Guyのように国際的なチェーンも店舗を立ち上げており、美容ビジネスの競争は激化している。

 

さらに、FMCGメーカーも美容サービス業界に乗り出そうとしている。Marico’s Kaya Skin ClinicやHindustan Unilever社の Lakme Beauty Salon、2015年までに350店舗のサロンを展開する予定のTrends In Vogue社(Chennaiを拠点とするCavinkareグループの新会社)などが挙げられる。

CavinKare社のような比較的小規模なFMCGメーカーも、美容ビジネスの成功を確信している。「我々は、美容サロン市場がインドにおいて流行し、成熟化しつつある状況を目の当たりにしている。今日、自社の美容サロンビジネスについてとても積極的な計画を立てている。美容市場のなかで、我々は急速に拡大してきている」と同社会長兼社長C. K. Ranganathan氏が語る。

 

サロン事業において、その開業の障壁は低い。しかし、ひとたび成長段階に入りサロンを拡大しようとするときに、運営企業は、豊富な資金、経験豊富なスタッフの雇用、スペース拡大、顧客満足やサービスクオリティの維持などの様々な課題に直面する。

「今日、グローバリゼーションはインドでの美容ビジネスの成長を促進している。各社は、激しい競争の中で生き残りをかけて、適切な人材の獲得と適切な投資を打たなければならない。」とBlossom Kochhar 社のManaging DirectorであるSamantha Kochhar氏がコメントしている。同社は既に美容専門店としてスキンケア製品を販売するためのトレーニングを受けており、Spalonという名前でサロン業界に参入する予定だ。この名前はspa とsalonを組み合わせたものであり、フェイシャルケアからストレス削減のケアまでサービスに含まれている。訓練された専門家の不足は大きな課題であり、適切な訓練機関の不足も問題となっている。Jawed HabibやBlossom Kochharのような訓練施設は存在するが、これらには階級などの基準がなく、国の公式な認可も得られていないため、人材採用の基準としては使用できない。

 

・難航する資金調達

美容サロンのほとんどが、銀行からの投資不足により、規模の拡大を困難としている。これらのサロンは規模が小さいため、IPOに乗り出すことができないのだ。

近年、サロンチェーンのJawed HabibはなかなかIPOに乗り出せず、融資やエクイティのような伝統的な資金調達をしている。このサロンチェーンはすでに21州90都市にて362店舗のサロンを運営しており、3種類のビジネスモデルを展開している。同社は既に44%の資金を、Mauritiusを拠点とするPE fund(Greenfield Investments)から得ている。

・PEファンドへの関心

知名度が高く、ある程度の規模を持つサロンも、PEファンドからの投資に興味を持っている。JM Financial India社 (Enrichに投資)、 Helion Venture社 (YLGに投資)、Everstone Capital and CLSA社(VLCCに投資)などのPEファンドによる積極的な投資は、大量投資を必要とするサロンが急速に規模を拡大する手助けとなっている。

「我々は、2010年に初めてPEファンドの投資を受けた。この時運営していたサロンは15店舗のみであり、次に投資を受けたのは2011年であった。この3年間で我々は2倍に成長し、EBITDAマージンは30%拡大した。今日、自社で50店舗のサロンを運営している。PEファンドは我々がサロン業界の中で急速に規模拡大する上で大きな手助けとなっている。我々はもうすぐ次の投資を必要とするだろう。」とEnrich Hair and Skin Solutions社のDirectorであるVikram Bhatt氏がコメントしている。このサロンは南部の市場にも拡大する予定であり、総売上高が2010年の2億4000万ルピーから2012年の5億ルピーまで大きく跳ね上がった。

PEファンドは、この分野の高い営業利益率とビジネスモデルに強い関心を持っている。EnrichとYLG (You Look Good)は自社経営のサロンをもっており、どちらも株式をPEファンドに売っている。

コンサルティングファームであるReevolv Advisory社のManaging Director、Kaustubh Kulkarni氏によれば、「美容サロンビジネスに関連して投資する会社はほとんど存在しない。ファンドのほとんどが土地を担保とするものである。一方でサロンにとっては、銀行から信用を得るための担保が必要ない。これこそが、PEファンドが美容サロンビジネスに大きな関心を持つ所以である。」

 

・自営とフランチャイズ

Lakme Lever社やJawed Habib社のような大規模なチェーンはいつも、事業拡大にあたってフランチャイズを利用している。「インドはまだ発展途上の国であり、巨大な事業家のエネルギーが存在する。フランチャイズのモデルはこの環境に最も適している。Lakme社はフランチャイズの強い基盤を持っている。我々は135店舗のフランチャイズ店舗をもっており、そのうち30%が1つ以上のLakmeのサロンを運営している。我々は、IT技術、経営手順の基準、経営面の強いサポート、コンプライアンスを保障する為の広範囲な会計監査など強いシステムを所持している。」とLakme Lever 社のShenai氏は語る。

Marico社など他のサロンは、自社の店舗を持つことを好む。これは、急いで規模拡大を達成しなければならないときなどはリスクが高い。Marico社のChairmanであるHarsh Mariwala氏は、「我々は学習曲線をたどっており、急速に成長しすぎたと考えている。競争のあるビジネスにおいて、困難は存在し続けるだろう。」と語る。

フランチャイズはPEファンドにとってリスクの高いビジネスモデルであり、自社運営店舗の方が好まれている。「フランチャイジーがあらかじめ得た投資に対して効率よく利益をあげようとするとき、売上を過少に報告し、手を抜く傾向にある。このような事態は先行投資をカットすることにつながり、サービスにも影響を与える。」とKulkarni氏はコメントしている。

 

・美容サロン市場の現状と見通し

Reevolv Advisory社は、美容サロンの市場規模が2011年時点で100億ルピーであるとし、毎年35~40%成長していると発表した。また、2015年まで390億ルピーまで成長すると予測している。

地方の市場における2005年から2010年までの年平均成長率が13%である一方、都市の市場の年平均成長率は20%となっている。現在、DelhiとMumbaiは美容サロン市場の55%を占めている。Tier 2の都市の中では、Ahmedabadが最も大きく、Surat、Nagpur、Chandigarhが続く。

非組織部門(unorganised sector)や国際的な企業との競争は、国内の美容サロンのサービスの質上昇や価格の下落につながるだろう。「消費者は変化している。多くのサロンがある今、消費者にはたくさんの選択がある。我々は国際的な企業の参入やインド国内の新たな参入も歓迎する。消費者は、選択肢が増えればその分ベネフィットを得る。たくさんの美容サロンがあることでそれぞれのサービスの質も向上する。さらなる競争が消費者のよりよい経験につながり、市場の拡大にもつながる。これは両者にとってWin-Winの関係だ。」とLakme Lever社のShenai氏はコメントしている。

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