インドの最新業界ニュース、2500社のインド企業情報を提供するポータルサイト

【小売】インド小売大手各社、キラナストアとの差別化模索

インド国内のスーパーマーケットチェーンは、これまでキラナ(伝統的な小規模店舗)との厳しい競争の中で運営していたが、パパママストアとの競争に勝つために方針を変更している。 FutureグループやRP-Sanjiv Goenkaグループ、Reliance Industries社、Aditya Birlaグループの食料品小売部門では、収益拡大に向けて早くからキラナのモデルを採用しており、新鮮な食材の提供や加工食品の多品種化、食料品・パーソナルケア製品の小分けなど各種取組みが行われている。

組織的に食料品小売店を展開している大手小売各社は市場シェア獲得に向け努力を重ねてきたが、インドの中流階級が何十年も食料品を購入してきたキラナの人気に苦戦している。これらの競争に勝つために、Spencer’s Retail社やFutureグループらは、キラナのオーナーや地元起業家との連携強化を検討している。

RP-Sanjiv Goenkaグループ傘下Spencer’s Retail のChief executiveであるMohit Kampani氏は、キラナと同じセグメントで生き残るためには、大手小売業はキラナとの差別化を図る必要があると述べている。 既存のハイパーマート展開を縮小するため数店舗の閉鎖に至っているSpencer’s Retail社では、近代的な組織的な小売展開の進め方が誤っていたことを同氏は認めた。「小規模店舗ではコスト構造の比重が重く、商品の構成や販売形式を適性化しないと利益を確保することが難しい」(同氏)。 Spencer’s Retail社はこの3年間で小型店舗を64店以上閉鎖したが、既存の105店舗を改良し、キラナやセブンイレブンのような方向に進みたいと考えている。同社は、食料品の小分けパックや石鹸、化粧水、加工食品、生鮮食品を販売する予定だ。 西ベンガル州コルカタでは、パイロット運用として電話での製品注文受付が行われている。これが成功すれば、同社は他の市場でも同様の取組みを展開する可能性がある。

Reliance Retail社の幹部によると、2,000平方フィート規模の店舗“Reliance Fresh”はキラナとの競争により収益に影響が出ているという。”Reliance Fresh”は店舗拡大せず、差別化を図るために7,000~9,000平方フィート規模の“Reliance Super”に注力するとのことだ。同社は、今年度50店舗のReliance Superの開店を目指しており、消費者が自由に購入サイズを決定できる商品の導入を検討している。

インド最大の小売業を傘下に持つFutureグループは、小型店舗“KB’s Fair Price”の経営のためにキラナのオーナーや地域の企業家を募集している。同グループは今後2年間で、現在の約200店舗から1,000店舗まで拡大する予定だ。

Aditya Birla Retail社はこの2年間で100店舗以上を閉鎖しているが、今年度100店舗を開店する予定だ。同社Business directorのPranab Barua氏によると、スーパーマーケット事業における店舗サイズについて検討を進めている模様だ。

 

インド国内小売業界では、近代的な組織的小売店はこの5年間で拡大してきたが、インドの近代的小売業の規模はインド小売市場2.5兆ルピーの内わずか7%であり、市場全体における近代的小売店の拡大速度は非常に遅い。また政府は昨年、海外投資を促すためマルチブランド小売の海外直接投資(FDI)の規制緩和を進めた。だが以前キラナの強さは変わらず大手小売各社は苦戦している。

大手小売企業の成長が予測よりも遅いことについて、市場の専門家の見立てでは地元地域での小売販売に入り込めていないことを指摘している。

調査会社によると、近代的小売店での顧客体験がより価値が高く心地よいものになり、多様な製品・カテゴリが揃うようになれば、これまで最寄りのキラナで手早く購入していた消費者が訪れるようになると見ている。

 

一覧に戻る