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【美容サービス】インドFMCG企業の新たな可能性:サロン事業

最近、インドではサロン市場が活発であるようだ。
例えば、大手化粧品メーカーのLóreal社は、マハラシュトラ州Mumbaiに拠点を置くCheryl’s Cosmaceuticals社を9月に買収した。Cheryl’s Cosmaceuticals社は1986年に設立され、スキンケア事業を行っており売上は約2億ルピーだ。Lóreal社は買収に向け、Cheryl’s社の売上の2倍近い3-4億ルピーを投資している。
これはLóreal社にとってインド初の買収案件であるが、近年インドでは多くのFMCG企業が国内のサロンチェーンに投資しており、これはインドのサロン業界が成熟し始めていることを示している。
大手消費財メーカーのGodrej Consumer Products社はMumbaiのB:Blunt社に対し、金額非公開で30%の投資を行った。B:Blunt社は有名ボリウッド俳優兼ディレクター、Farhan Akhtar氏の妻、Akhtar氏が共同創業者として運営するサロン事業である。Edelweiss Capital社のAssociate Director、Abneesh Roy氏によると、この買収はGodrej Consumer Products社にとって、自社ブランドのヘアカラー及びグルーミング製品の販売強化に向けた戦略的な投資であったと述べる。

また、サロン事業者もこのような投資機会に積極的である。大手ヘアサロンチェーンのJawed Habib社は、IPOからの資金調達を延期し、モーリシャス国のGreenfield Investments社等を含むプライベート・エクイティ(PE)の投資家から資金調達を試みている。
Shahnaz Hussain社、Enrich Beauty Salons社、You Look Great(YLG)社等の地方のサロン事業者や、Toni & Guy社やJean-Claude Biguine(JCB)社等の海外チェーンも、PE投資家による資金調達を拡大している。
また、HUL社のLakme Beauty Salons、CavinKare社のGreen Trends、Marico社のKaya等、FMCG企業によって運営されるサロンも近年増大している。
インドでは、男女共にグルーミングを裁量的な支出ではなく、必需品のように捉える消費者が増えており、グルーミングの支出も増加傾向にある。この新しい市場動向により、インドの消費財企業は自社製品の販売強化戦略として新たな動きが可能となっている。
例えば、Lakme Salonは、Unilever社が国際的に展開するプロフェッショナル製品TIGIとは別に、HULの自社製品であるLakmeブランドのスキンケアやカラー化粧品を推進している。これらの製品は販売だけでなく、HULが展開するサロンでも使用されている。Marico社の場合、自社の小売事業に積極的ではないが、サロンで使用・販売するKaya製品の開発に注力する。このような製品とサービス連携の事業モデルは、サロン事業にとってますます重要になっている。

小売業のコンサルティング企業Wazir Advisors 社のMD、Harminder Sahni 氏は「インドのサロン市場は急速に成長しており、Godrej社やHUL社等のFMCG企業も美容サービス事業に次々と参入している。また、女性の就業率が増えると共に、サロンへの来客数も増えるだろう」と語った。

業界の推定によると、組織化及び非組織含めたサロン事業の規模は約1,200億ルピーであり、年間約25%の伸び率で成長している。その内、専門サロン業界の規模は100~120億ルピーであり、年率20~25%で成長している。同業界にはKayaや皮膚科専門医Jamuna Pai氏のBlush等のクリニックが含まれ、専門的な美容サービスの提供者が支配する。
しかし、圧倒的なシェアを占めるのは大衆サロン部門であり、その規模は1,000~1,100億ルピーと推定されている。YLG社の創業者兼CEO、Rahul Bhalchandra氏は「消費者がより品質の高いスキンケアやヘアケアサービスを求め始めていることがサロン事業の拡大につながった。スキンケアやヘアケア等の美容意識がない限り顧客を獲得できないという意味ではニッチな市場だ」と語った。

サロン事業者にとっての市場機会は、従来の大都市圏からTier Ⅱの都市に、さらに非組織体系から組織化されたサロンへと移り変わっている。Lakme Lever社のCEO、Pushkaraj Shenai氏は「美容サービスへの関心の高まり、女性労働者の増加、可処分所得の増加という3要素が大いに貢献している」と語った。

さらに、消費者がサロンサービスに対する出費と時間を惜しまなくなってきているため、組織的活動がますます実行可能になっている。
JCB社のCEO、Dharmendra Manvani氏は「以前45日に1回来ていた顧客は、現在30日に1回と頻度が高まっている。また、以前1コースを1時間で受けていた顧客は、現在2時間で3コースを利用しており、確かに利用者の頻度は平均的に増加している」と語った。

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