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【FMCG】インド大手HUL社、今後の重点分野を発表

インド最大手の消費財メーカーHindustan Unilever(HUL)社は2013年度の年次報告書において、イノベーション、農村部における流通、及びデジタル・メディアを今後の重点分野として定めると発表した。

同社の販売量ベースの売上成長率は、2013年度の第4四半期に過去2年間で最低値となる3%まで引き下がっている。同年の第1~3四半期に関しても、売上成長率は前年度の同期間に6%であったのに対し、2013年度では4~5%に減少した。

業界専門家によると、HUL社は現在の売上状況から1年前の売上成長率にまで回復させると表明している。同社のChairman、Harish Manwani氏は、「我々は成長を促進させるためにできる限りの取り組みを行うつもりだ。消費者行動の理解を高めるために、消費者インサイトも重視していく。これは肝心な取り組みになるだろう。」と述べる。

HUL社の戦略は、この間発表された年次報告書において下記のように掲げられている。「農村部は、我々にとって引き続き重点分野である。2013年度には、当社はインド全土で8,500の村にリーチし、学校のネットワークやmohalla(近所)プログラムを通して子どもの保健・衛生問題の改善に務めた。また、我々は次世代の主要メディア媒体となるであろう、デジタル・メディアへの投資も強化した。」

同報告書によると、同社は2013年度にShakti Ammas(女性販売員)17,000名を新たに雇用し、農村部における流通網を大幅に拡大させた。同社の農村部における流通網は200万店舗と推定されており、適切な消費者ターゲットに適切な商品を届けるために、およそ半分の店舗には自社の流通網で販売している。
また、同社は”Perfect Village”の取り組みにおいて、消費者向けにリンス、フェイスウォッシュ、ボディローション、柔軟剤や液体ハンド・ウォッシュなどの製品に関する教育プログラムを実施している。このプログラムは去年、主要となる8州から実施が開始され、今年は実施地域が拡大する見通しである。

イノベーションの創出については、同社は売上の約80%を占めるオーラルケア、パーソナル用品や石鹸・洗剤事業において注力していくと述べる。年次報告書によると、特に歯ブラシ、歯磨き粉、制汗剤、スキンケア、ヘアケアや液体洗剤などの製品カテゴリーで革新的な商品の開発に取り組んでいくとのことだ。
親会社のUnilever社は36億ルピーを投資し、マハラシュトラ州のKhemgaonに制汗剤の製造工場を設立する予定である。イノベーション創出を強調する背景には、近年同社の制汗剤及びオーラルケア市場における市場シェアが縮小していることが要因として見られる。

競合Colgate社が発表したデータによると、インドの歯磨き粉市場におけるHUL社の市場シェアは過去2年間連続で減少しており、2013年の22.8%、2012年の23.8%に対し、2014年1~4月には21.5%にまで下落した。一方でColgate社の市場シェアは2012年の54.5%、2013年の55.9%と比べ、2014年1~4月は57.1%にまで上昇している。
制汗剤市場では、アメーダバード本拠のVini Cosmetics社の”Fogg”ブランドがHUL社の”Axe”を追い抜き、新たに市場トップを獲得した見通しだ。”Fogg”に対抗するためHUL社は革新的な商品を投入し、市場シェアの回復を狙っていくだろうと専門家は推測している。

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