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【小売】“地球に優しい”製品 インド食品・アパレル市場で低調

様々なブランドが環境に優しいブランドイメージづくりに投資しているが、実際の小売店では雑貨や衣料品さえも“地球に優しい”製品の売れ行きは伸び悩んでいる。 Future Group、Relliance Retail、Spencer’s Retail といった大手食品メーカーは有機野菜、フルーツによる売上は導入から3,4年経った現在も全体の食品部門売上の2%に満たないという。

  • オーガニック食品市場の低迷
    ITCはオーガニック製品については市場から撤退した。Madura Fashion & Lifestyle、Woodlandといった大手アパレルメーカーも環境に優しい繊維を使った製品を発売するが共に反応は芳しくない。「エコ製品に対する関心の高まりや消費に対する満足感にばかり集中し、利益性が低い」とMohit Kampani氏(Spencer’s Retail chief executive)は話す。

    同氏によれば、Spencerのオーガニック食品売上は全体の0.5%程度にとどまる中、今後も販売継続するとしたが、あくまでもあらゆる商品を店舗に展示・提供することが主眼とのことだ。Reliance Retailの関係者は売上予測に到底届かない為、既に数店舗でオーガニック食品販売を取りやめたと語っている。消費財メーカーのHimalayaは同社オーガニック製品販売をアメリカ、ヨーロッパに限り、インド国内で展開する予定はない模様だ。

  • オーガニック食品の提供価値と価格設定に課題
    オーガニック食品の市場での売れ行きが低調である背景として、小売業者の中では在庫の安定しないオーガニック食品の国内サプライチェーンにも問題があるという声もある。また、その価格帯に関して、通常商品より50-70%上乗せした価格帯の高さも消費者を遠退けている一因とみている。

    ITC社Food divisional chief executive のChitranjan Dar氏によれば、価格帯はともかく、インドの消費者にはノンオーガニック製品を上回る価値を見いだせていない、と見ている。「オーガニック食品はその品質を妥協しなければならない。たとえばターメリックやチリパウダーは発色が通常と異なる。また、消費者はオーガニック製品を高いお金を払い買ったとしても、その他がノンオーガニックであれば意味がないと考えている」(同氏)

 

  • アパレル業界でのオーガニック製品事情
    これは食品に限った話ではない。大手アパレルMadura Fashion & Lifestyleはこれまで同社ブランドVan Heusenにてオーガニックコットン製品を発売してきたが、市場拡大に向けた計画は低迷している。同社ブランド“Allen Solly”を展開するSooraj Bhat氏は、「現在海外市場において急成長中のオーガニックコットンは国内での市場規模はニッチ市場以下だ」と話す。 オーガニック製品の生産には「通常製品よりも20-30%追加コストがかかる」(同氏)ため、市場も軌道に乗りにくい。またオーガニックコットンの生地はフォーマルよりもカジュアル向きであることもまた問題だ」(同氏)。

    Amit Ladsaria氏(アパレルブランドTurtleのdirector)は同ブランドでオーガニック製品発売計画があると話した。これまでよりも製品生産過程やストーリー性をアピールし、売上げよりも全く新しいブランドとして打ち出していく戦略だ。

    エコ意識が高まる中でプラスチックから紙やジュートカバンの利用、包装容器のリサイクル、買い物客へのショッピングバック利用促進といった取り組みは消費者にも浸透してきている。だがブランドや小売業者がオーガニック製品から利益を生みだすまでの道のりは長いようだ。

 

  • 将来性は高いエコ市場
    しかしながら、環境志向製品は健康志向製品よりも状況は明るい。PepsiCoやParleらは健康よりも味を重視するインド消費者の志向により売上が伸びず健康製品をインド市場から撤退した。

    Devendra Chawla氏(Future Group(Food Bazaar) president)によると、エコ製品、特にオーガニック食品は今後2,3年で小売店の各ブランドと協働した同カテゴリー製品充実により需要が伸びる予測だ。

    「昨日の製品を消費者が明日も選ぶとは限らない。新たな代替製品を常に開発する必要があり、オーガニック食品のような小さなカテゴリーも将来成長の可能性がある。」(同氏) ITC社のDar氏はオーガニック製品の導入することが有機野菜やフルーツといった新カテゴリーの食料品にとって初めの一歩になると考えている。

    「海外市場ではこのようにオーガニック製品が成長し続けている。市場が成熟すればオーガニックやエコに対する価値が認知されそれらの製品もインド市場に受け入れられるだろう。」(同氏)

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