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【食品】菓子類、インド農村部で需要拡大

インドでは、定期的に購入が必要な食料品や石鹸だけでなく、チョコレートやクリームビスケットを購入するようになった家庭は、“deprivers”(貧困層)から“aspirers”(上位貧困層)に移ったと言われる。近年、農村部では購買意欲の向上に伴いチョコレートやOreo等のクリームビスケットを定期的に購入する家庭が増加しており、農村部における購買行動が劇的に変化している。これらの製品は、マーケターの間では “衝動買い”製品に分類されている。

マーケティングの専門家によると、農村部の消費者は都市部のような意欲的な消費者に移り変わっており、これらの傾向は政府から支給される助成金を積み立てた結果、可処分所得に余裕が出ていることが背景にあるとのことだ。チョコレート等の製品に対する認知度の差は、現在では農村部と都市部でわずか10~15%だ。
また、近年では義務教育における授業料の無償化やMid-day制度(無償給食の提供)の実施により女性の教育参加が促進されている。これにより、女性の間で製品のブランド意識が拡大し、多くの家庭で食料品購入の意思決定に影響している。

インドでは、チョコレート市場とビスケット市場どちらも急成長している。

チョコレート市場の規模は550億ルピーであり、農村部は全体の16~17%を占める。さらに、人口5,000~10,000人の村における市場は、全体の約5%にあたる30億ルピー規模と推定されており、年間成長率はチョコレート市場で19%、クリームビスケットで10%と予測されている。
農村部の消費者には2ルピーの小型パック以外は売れないという固定概念が一般的に定着しているが、実情としては5ルピーが最も販売数量の多い売価であり、10ルピーの製品の売上も最近では上昇している。

農村部におけるチョコレートの需要に応えるため、大手チョコレートメーカーCadbury India社は9州における人口5,000~10,000人の村への進出を本格的に開始した。同社は2015年までに持続可能な販売網を構築し、農村部の市場の75~80%を獲得することを目指している。
Cadbury India社Sales & International BusinessのDirector、Sunil Taldar氏は「42グラム、35ルピーで販売されているCadbury Fruit-n-Nutチョコレート等、量の多い製品が農村部で好調だ。可処分所得に余裕を持つ農村部の消費者が多く存在することは確かであり、当社はそれらの消費者の購入を促す工夫を生み出す必要がある」と語った。
また、同氏は、農村部の消費者も強い消費傾向を示しており、消費も健全に成長していると述べる。また、同社の製品で農村部市場に適さないものはほとんどないとのことだ。

Cadbury社の製品は卸業者を使用したルートで農村部に流通しているが、農村市場では同社の模造品が出回っている。しかし、同社はこれを事業機会と捉え、店頭で正規品としての付加価値を宣伝するプロモーションの実施により売上の拡大を図っている。
また、Ferrero India社は同市場に新規プレイヤーとして参入し、農村部への参入の前に都市部における販売網を構築している段階だ。同社は現在、価格帯としてはプレミアム商品に該当する”Kinder Joy”や”Tic Tac”の商品を販売している。同社の戦略では都市部に注力しているものの、これらの商品は都市部で契約している卸売業者の独自の判断により、農村部にも流通している。これは、これらの商品が農村部において需要がある証拠だと見受けられる。

一方で、インドのクリームビスケット市場は400億ルピーと推定されており、農村部は全体の約13%を占めている。クリームビスケット市場でCadbury社と競合する国内大手企業Britannia Industries社は、以前「農村市場では、クッキーやクリーム入りビスケット等の多様なビスケットが定番のグルコースよりも急速に成長している」と語っていた。また、Nielsen India社のExecutive Director、Vijay Udasi氏によると、最近では都市部におけるビスケット市場が停滞していることから、農村部を重点市場として展開する企業が増えているとのことだ。

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