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【食品】HUL社、インド食品業界でトップ3入りを狙う

近日インドの消費財最大手のHUL社は、レシピや子ども向けゲームなどを入れた“Kissan”ジャムのギフトセットをモダンリテールの店舗で販売し始めた。このギフトセットの価格は220ルピーである。
インドの加工食品業界において、ギフトセットは目新しいものではない。祝祭の時期になると、チョコレートブランドのMondelez社、Cadbury社やFerrero Rochero社、そしてPepsiCo社、Britannia社やDabur社など、多くの企業がおまけ付きのギフトセット製品を大々的に売り始める。

今回、HUL社はそのトレンドと同様に祝祭の季節以外にもギフトパックを流行らせる計画を打ち出している。同社は“Kissan”だけではなく、”Bru”や“Taj Mahal”など、その他の食品及び飲料ブランドのギフトパック製品を今後数か月で新たに発売していく見通しだ。

HUL社食品事業のGeneral Manager、Abhiroop Chuckarbutty氏は、ギフトセット展開の戦略について、「ブランド構築」の一環であると述べる。「”Kissan”ブランドは、子どもに食べさせるお手伝いをするママの味方というイメージが強く、子どもにも人気である。我々は子どもや家族全員の興味を引き付けるために何か新しいアイディアを探していた。そこで考えついたのが、子どもを狙ったギフトパックである。箱の中にはレシピ、ジャムボトル、そして最後にゲームが入っていて、親からもらった子どもは友達や家族とも遊ぶことができる。我々の狙いは、家族全員をテーブルに集めることだ。」(同氏)

HUL社の食品事業は、2014年度に売上高496億ルピーと発表されており、インド食品業界では競合Nestle社の906.2億ルピー、Britannia社の692.3億ルピー、そしてITC社の571.7億ルピーに次ぐ結果となった。
業界関係者によると、インドの食品業界ではITC社が特にイノベーション創出に優勢であり、インスタントヌードル、パッケージ小麦粉、チップスやビスケットなどの分野で次々と競合を抜きトップ3入りしている。

証券会社Edelweiss社Associate DirectorのAbneesh Roy氏は、「ITC社は過去4年間で25%増の成長を遂げており、他の食品メーカーと比べると非常に急速な成長スピードを記録している。同社は、継続的な投資、イノベーションや現地嗜好の理解がインドの食品業界における成功の秘訣だということを証明した。」と述べる。

HUL社はITC社に学び、近年はイノベーション創出に巨大な投資を行っており、ギフトパックの発売や、都市部の子どもにトマト栽培の体験を推進する”Kissanpur”などの取り組みを実施し、食品業界において勝負に出ている。
“Kissanpur”は2年前に開始されたキャンペーンであり、HUL社は子供たちからトマト栽培の写真や体験ストーリーを募集し、“Kissan”ケチャップのボトルラベルやキャンペーンウェブサイトに掲載している。

Nestle社も“Maggi”ブランドで同じようなキャンペーンを実施し、消費者から募集したブランドの体験談を商品パッケージやテレビCMなどに活用していた。ギフトパックを起用したブランディング活動は有効であるが、売上を引き上げるためにはHUL社は発売形式やイノベーションの面でさらなる工夫が必要である、と専門家は指摘する。

今年度の前半には、同社はムンバイ、プネ、バンガロール、ハイデラバードとチェンナイでアイスクリームのプレミアムブランド”Magnum”を発売した。また、スープ分野でのラインアップを強化させるため、10ルピーの“Knorr”パックを新たに発売した。同社はスープ、ジャム、及びケチャップ市場において首位を握っている。

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