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【食品】インド、健康をテーマとした加工食品のスタートアップが続出

近年インドでは、健康食品、オーガニック食品やインスタント食品の流行に伴い、加工食品業界において革新的な商品を展開するスタートアップ企業が増えている。バンガロール拠点のYCook社やSoulfull社、デリー拠点のZea Maize社などのスタートアップはタンパク質豊富な食品やインスタント食品などの販売を手掛けており、近年多くの投資家から注目を浴びている。

 

YCook India社に出資したベンチャーキャピタルOmnivore Partners社の創業者、Jinesh Shah氏は下記のように述べる。「米や麦の価格が高騰すると共に、消費者は穀物中心の食生活からタンパク質を中心とした食事習慣にシフトしている。さらに、近年では食品の品質やおいしさのためにプレミアム価格を払う人が増えている。」

 

元銀行員のJanardhan Swahar氏と彼の学生時代の友人Vijay Reddy氏が4年前に設立したYCook社は、保存料無添加で冷蔵不要にも関わらず、12ヵ月以上も保存可能なスイートカーネルコーンやトウモロコシ、ベビーコーン、ひよこ豆やチャットニーなどの食品を販売している。近日ベビーポテトやボイルドピーナッツなどの新商品をデリーとコルカタで展開していく予定だ。

 

同社のManaging Director兼CEOのSwahar氏は、「通常スイートコーンは賞味期限が3日以内の食品であるが、我々は革新的な技術を使ってこの問題を解決した。さらに、このトウモロコシに使われている透明のパッケージは電子レンジ対応な上、見た目も良いので消費者の手に取ってもらいやすい。」と述べる。

 

業界専門家によると、急成長を遂げるインドの加工食品市場において、このような中小ブランドの存在感は今後も上昇していく見通しである。

 

Technopak Advisors社のSenior Vice-President、Ankur Bisen氏は下記のように述べる。「インドの食品加工産業は過去5~6年において特に都市部で成長している。今後15~20年間は、少ない競争の中、中小企業のブランドが市場開拓する余地は多いにあるだろう。」

 

Technopak社の調査によると、インドの加工食品市場は現在6兆8,500億ルピーであり、食品産業全体の約49%を占めていると推定される。一般的な食品加工分野が3分の2を占める一方、その他の3分の1を占める高付加価値化の分野は年率10%で急成長を遂げている。主な成長分野には、乳製品、健康食品、インスタント食品、オーガニック食品、フルーツジュースやコンビニ食品などが含まれる。

 

農業の経験を持つPrashant Parameswaran氏が2012年12月に立ち上げたブランド”Soulfull”は、ラギ(ragi)などの伝統的な穀物から作られた砂糖・保存料無添加の朝食シリアルやインスタントのドーサ粉などを展開している。“Soulfull”を展開するKottaram Agro Foods社のManaging Director、Parameswaran氏は、「朝食は未開拓な市場である上、都市部の消費者には3食の中で最も抜かれている食事である。」と述べる。

 

Technopak社によると、インドの朝食市場は現在56億ルピーであり、年間成長率15%で拡大している。

 

Southfull社とYCook社の両社は、来年度の頭にインスタント食品市場に参入する予定だ。Southfull社はアワを使用したインスタント食品、そしてYCook社はレンズマメを使用したインスタント食品を展開するとのことだ。

 

また、デリー本拠のZea Maize社は現在、ショッピングモールや企業オフィスを中心にポップコーン専門店のキオスク販売を手掛けており、今年度末までにはデリー首都圏(NCR)内の高級スーパーで販売していく。同社の共同創業者兼CEOを務めるChirag Gupta氏は、「米国と比べると、インドではポップコーンを食べる機会は限られており、家にポップコーンなんかを持って帰ろうと思う人はいない。賞味期限が長いことを上手く利用して、我々はこの考えを覆したいと思っている。」と述べる。同社のポップコーンは、チョコレート味、チーズ味、ポットプーリー味やキャラメル味など様々な種類があり、65ルピーから400ルピーの価格帯からジップロックのバックか缶のどちらかを選ぶことができる。

 

投資家たちによると、インドの加工食品産業はまだ導入期であり、市場の潜在性や事業機会は非常に大きいとみている。Omnivore Partners社のShah氏は、「投資活動を促進させる新しいブランドは今後も増えていくだろう。VCが株式売却する条件が揃っているということは、これらの事業が拡大性のあり投資価値もあることを示している。」と述べる。

 

YCook社以外にも、Omnivore社はソーセージ、ベーコンやハムなどのプレミアム製品を全国で販売する豚肉加工業者、Arohan Foods社に出資している。

 

ベンチャーキャピタル企業Aspada Investment Advisors社でCFOを務めるKushal Agarwal氏は、インドではここ数年でブランドのフルーツや野菜の需要が急増しているとのことだ。Aspada社は、野菜ブランド”LEAF”の販売を手掛けるLawrencedale Agro Processing India社に1億ルピーを投資している。同社のDirector、K P Nair氏は、「我々は、衛生的に加工・包装された野菜の販売事業に大きな市場機会があると感じた。」と述べた。

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