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【スマートシティ】インド、スマートシティ開発計画に個人情報保護の規制不足が懸念される

インド政府は2014年度の国家予算において、国内100ヵ所のスマートシティ建設計画のために700億ルピーの予算を割り当てると発表した。この計画によりインドではスマートシティという新たな産業が推進される見通しであるが、そのためには政府はプライバシー関連の規制を整備する必要があると指摘の声が挙がっている。

IT関連のシンクタンクIT for Change社のExecutive Director、Parminder Jeet Singh氏は、「我々はこのプロジェクトで活用する技術や効果に大いに期待すると共に、今まで解決の見通しがついていなかった課題に向き合う良い時期だとも考えている」と述べる。

スマートシティ内の道路、交通整備、電気、水道や下水の管理はすべて技術プラットフォームにより一体化され中央で管理される仕組みとなり、これは都市計画だけではなく、効率的な資源の利用を実現するためにも有効なシステムとなる。しかし、都市内において情報を収集するためには、都市周辺をフェンスで囲いカメラを設置したり、自宅やオフィスに電子チップを設置した機器を導入するなど、個人情報の取り扱いに関して多くの問題が発生する可能性がある。

インドソフトウェア・サービス協会(NASSCOM)のPresident、R. Chandrashekhar氏は、「我々は必要な情報は持っているが、個人情報を利用する権利は持っていない」と語る。通信・IT業界におけるプライバシー法案は2010年から議論が行われており、何度か法案に改正が行われたが、新政権の発足後、今後の発展の見通しはついていないとのことだ。

去年、デリーのメトロ内のカメラで撮影されたカップルの映像がインターネット上で公開された事件をきっかけに、国内では個人情報保護の問題が注目された。インドでは、政府が収集可能とする対象情報、それらのデータへアクセスできる主体者、保管期間、違反した場合のペナルティーなどが明確化されていない。

個人情報の取り扱いについて懸念の声が挙がる一方、技術関連の企業はスマートシティ開発計画に対して非常に大きな市場機会であると期待を示している。
ビデオ技術ソリューションを提供するVerint System社のCountry Manager、Anand Navani氏は、「公共の場所を監視することは、住民からも需要があり単なるプライバシーの侵害ではない」とコメントする。同社は、Surat Safe City Projectに参画しており、同プロジェクトでは政府関係者と共に監視が必要な公共スポットを選定したとのことだ。同氏によると、学校、大学キャンパス、製造工場や産業特区など、プライバシーの侵害とされるような場所は対象外としたと述べる。

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