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【医療機器】インドの医療機器産業、現在の関税制度が輸入品への依存を促進

モディ首相が「Make in India(インドでモノづくりを)」を政府の重点分野として掲げている一方で、医療機器に関してはこの方針に該当しないようだ。インドでは医療機器の原材料に伴う税金が高いため国内では製造業が未発展である一方、完成品輸入の関税は引き下げが続いている。このように、インドの医療機器分野では国内の製造業よりも完成品の輸入が促進されるような税制度になっている。

 

その結果、約3,000億ルピーと推定されるインドの医療機器市場の75%以上を輸入が占めており、国内に拠点を保有していない多国籍企業がほとんどである。政府の調査によると、同市場は年率15%のペースで拡大すると予測されており、この値をもとに計算すると市場規模は5年後には6,000億から1兆ルピーにまで拡大する見込みだ。

 

また、Boston Consulting Group社の調査によると、インドの医療機器市場は2025年までに約3兆ルピーに到達する見込みと推定されている。引き続き輸入が市場の75%程度を占めた場合、輸入総額は2兆ルピー以上に及ぶことになる。インド政府の規定によると、医療機器には使い捨て手袋や針などから、CT診断装置や手術用ロボット機器といった高技術な装置まで含まれる。

 

国内には750社以上の医療機器製造業者が存在しており、近年はコスト効率が高い中級価格の製品が増えているものの、ほとんどの業者が主に低技術な製品を製造している。売上高50億ルピー規模の企業は全体の約2%に過ぎず、10億~50億ルピー規模が3%、5億~10億ルピー規模が5%、及び1億~5億ルピー規模が20%であり、その他の70%の企業は売上1億ルピー以下の小規模の企業である。

 

使い捨て・消耗品・手術機器の分野に関しては、インド国内の製造業は市場の約50~60%を占めているが、その他の分野に関しては10~15%に留まる。GE社、Siemens社やPhilips社などの多国籍企業はインドで低技術製品を製造しているが、事業全体の売上に占める割合は10%にも満たない。

 

多くの多国籍企業は中国に巨大な製造拠点を設けている。インドの輸入関税を踏まえると中国やブラジルから輸入した方が合理的なのである。例えば、インドは糖尿病大国であるにも関わらず、血糖値測定器のような医療機器であってもJohnson & Johnson社、Roche社やBayer and Abbott社などからの輸入品が市場の95%以上を占めている。

 

さらに、整形外科インプラント、ICUに関する機器、歯科インプラントや製品などの分野についても輸入品が90%以上を占めている。近年では臨床検査や眼科の分野において、地場企業による展開が強化されているものの、多国籍企業と競争する上では不利な税制度や弱いマーケティング機能などの課題に直面している。

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