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インドのデジタルについての3つの勘違い?

コラム「インドでデジタル広告はじめました!」vol.2

 インドのデジタルについての3つの勘違い?
 MicroAd India Private Limited マネージングダイレクター
 佐々木 誠
 2015年5月12日   

 

インドのデジタル化は遅れている?

 舗装されていない道路、頻繁に起こる停電、低速なインターネット。そんなインドの日常からはデジタル化が進んでいる印象は持ちません。ですがインドはアメリカ、中国に続き世界第3位のインターネット大国です。人口12億人に対してインターネットユーザー数は約2.5億人。普及率でいうと20%程度ですが、急激にユーザー数を伸ばしています。たとえばフェイスブック。登録者数は1.3億人を超えて、今年中にアメリカを抜き、世界最大の登録者数になると言われています。続いてスマートフォン。現在のスマートフォン利用者は1.5億人と言われていますが、毎月400万人のペースで増えています。数でいうと、すでに日本の人口を超えるスマートフォンユーザーが存在しているのです。

インターネットユーザー数とスマートフォン利用者数の推移(eMarketer調べ)

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インターネットは富裕層のもの?

 インターネットを使うには英語も必要だし、パソコンも必要だから富裕層が使っていると思われがちです。ですが、実際にはインターネットは若者が使っています。ある調査によるとネットユーザーのうち35歳以下が70%以上を占めると言われています。私の感覚でもインド人の35歳くらいにデジタル・デバイドがあり、それ以上の年齢だと仕事以外ではネットを積極的に使っていない印象を受けます。

 マイクロアドで調査した際も、eコマースの客単価は500-1000ルピー(1000円~2000円程度)と低く、購入されているものもファッション(服や靴)が多いという結果になりました。学生や若者が積極的にインターネットを活用している状況が見て取れます。ただユーザーが若いからといって駄目だということではありません。日本もネット普及期には若者が使っていましたが、そのユーザーが年数を経て30代、40代になり、今ではネットの巨大な消費を牽引しています。

 

「eコマースでオーダー当たりいくら使っているか?」(マイクロアド調べ)

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「eコマースで何を買っているか?」(マイクロアド調べ)

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商品はちゃんと届くの?

 私は仕事柄、色んなeコマースサイトを試してきましたが、商品が届かなかったことはありません。それどころか、オーダーするとすぐに携帯にSMS(ショートメール)が届き、いつごろ届けにいきます、と進捗を丁寧に教えてくれます。早いと翌日には商品が届きます。物流はeコマースで一番の肝(差別化ポイント)になるので、eコマース各社は全国に倉庫を増やしたり、自社で配送システムを構築したりと大規模な投資を行っています。最近では、生活雑貨や食材をオーダーしてから90分以内に届けてくれるような即時配達(オンデマンド・デリバリー)も出てきています。インドは日本と比べるとスーパーやコンビニの数が圧倒的に少ないですが、自分の足で買い物に行くというより、eコマースが手元まで商品を届けてくれるという形がスタンダードになる可能性があります。

「eコマースの商品受け取りまでの時間は?」(マイクロアド調べ)

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まとめ

 私はインドに来た当初、インドのデジタル環境は日本に比べて遅れているなあ、という印象がありました。ですが今は全く違う印象を持っています。昨年1年間でスマートフォンが大きく伸びました。1万ルピー(2万円程度)だった端末が最近では5000ルピー(1万円程度)まで下がってきています。パソコンの普及を待たずにスマートフォンが一気に普及し、一人一台でインターネットに接続できる環境がつくられつつあります。インド最大手のeコマースであるflipkartは1年以内にウェブサイトを閉じる、と発表しました。これはパソコン(ウェブサイト)からの購入者ではなく、スマートフォン・アプリからの購入者を囲い込もうとする明確な戦略です。

 一方で、eコマース各社は倉庫や配送など物流に大きな投資をしています。これによって既存の小売りの世界に新しい風を吹かせ、人々の生活を大きく変えようとしています。

 

以上

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著者プロフィール

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佐々木 誠

MicroAd India Private Limited マネージングダイレクター

 

 

商社で2年働いた後、2000年にサイバーエージェント入社。ネット広告の営業経験が長いが、Ameba(アメーバ)の立ち上げなど新規事業にも携わってきた。2012年にグループ会社のマイクロアドに移り、インド責任者。ディスプレイ広告の配信プラットフォーム「MicroAd BLADE(ブレード)」を武器にしてインド企業や日系企業を開拓中。
デリー在住。

 

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