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インドでビジネスをするためにビザを取ろう

コラム「インドでの起業への道」vol.5

 インドでビジネスをするためにビザを取ろう
 Xroad Solutions Private Limitedの代表取締役
 佐々木克仁
 2016年2月23日   


(インドのルールは日本から見ると目まぐるしい速さで変化しております。ここに記載された内容は執筆当時の状況に即したものです。これからビジネスを始めようとされる方は、必ず専門家に最新のルールを確認することを推奨します。)

 自分の会社を持つと、誰しもが自分が現地(インド)に行ってビジネスを進めたいという気持ちを持つと思います。一部の国を除き、私達外国人はインドに入国するためにはビザが必要になります。そしてインドでビジネス活動をするためには、主に商用(Business)ビザか、就労(Employment)ビザを取ることになります。

 この商用ビザと就労ビザ、そして参考までに旅行(Tourist)ビザの違いを表にしたものが以下になります。なお、比較項目は抜粋しております。

 

●ビザの種類による違い(一部抜粋)

1 商用ビザか就労ビザであれば、会議や視察、会社設立の準備を行うことができます。取得しやすいという理由から旅行ビザでインドに来て、ビジネスの準備を始めようとする方がいらっしゃいますが、本来のビザ発給目的とは違うことが問題であるだけでなく、後述するビザの種類によってできることが限られるためおすすめしません。

<賃貸契約>
 インドで特定の場所に長期間滞在する可能性が認められた就労ビザか商用ビザがあれば、アパートなどの賃貸契約をすることができます。旅行ビザで知人などがいない場合はホテルなどに宿泊することになるので、月単位では滞在費用が高くつくことになります。

 会社設立の手続きや事務所の場所の選定などは長い期間を必要としますので、ビジネスの準備段階では商用ビザを取得するようにしましょう。なお、就労ビザは就労先となる会社が設立されないと申請できません。

<銀行口座/就労>
 商用ビザではインドで収入を得る活動(就職、販売など)を行うことが許可されていません。収入が発生しないということは、銀行口座を作る理由がないというのがインド側の考えなので、商用ビザでは銀行口座を開設することができないことになります。逆に就労ビザは収入(や納税)の履歴の管理のために銀行口座が必要となります。

 当然のことながら銀行口座の作成には、就労ビザの他に住所証明(賃貸契約)、外国人登録などが必要となりますので、対応していく順番は非常に重要です。

<外国人登録>
 就労ビザは表のビザの中では一番できることが多いですが、その分インドからの義務も求められます。特に事前の準備ができていないと苦労することになるのは外国人登録です。外国人登録はインドに入国後2週間以内に登録を終えないと、ペナルティだけでなく、出張などでインドを出国する際に空港の出国検査で登録を済ませていないことを問われ、出国できません。

 また、外国人登録には住所証明書の提出が必須ですが、最初から就労ビザで来た場合、インドに到着し2週間でアパートを探し賃貸契約を結ぶには十分な期間とはいえず、問題がある物件を選んでしまって後で苦労する可能性も考えられます。中には賃貸契約にサインが必要な大家が旅行に出ていて、2週間以内に帰ってこなかったという話も聞いたことがあります。そのため、大手日系企業では駐在員を事前に商用ビザでインドに来させ、生活に慣れさせるのとアパート探しをさせることは珍しくありません。

<納税>
 納税はビザや外国人登録を更新(延長)するためにも絶対に必要な義務です。日本の基本控除に似た仕組みがインドにもありますが、就労ビザを申請する段階で私達外国人は、年間給与が最低25000米ドル(約300万円)以上必要というルールがあり、必ず納税対象になります。ですが、中には「今年は売上が少なく、自分の給料も雀の涙だったので私は納税の必要はない」と勝手に思い込んでしまう外国人起業家も多く、ビザや外国人登録の更新の時にインド政府から納税書類不足または不備により、遅延分も含めて納税、最悪の場合は短期間での国外退去を命じられてしまうのです。

  

●状況に合わせてビザを切り替える

 さて、ビザは種類毎にできることと、義務があることを説明しましたが、インドでビジネスを考えている人にとってどのビザが最適か箇条書きで書いていきます。

<商用ビザ>
・インド視察やイベント参加など、ビジネスを決断する前。
・インドで会社を設立するための手続き。
・インドに駐在するためにアパートを探す。
・インドに拠点は構えないが、インドにある会社と取引をするための会議に参加する。
・インドには出張ベースで訪問し、インドでの収入はなく、年間合計180日以上滞在しない。

<就労ビザ>
・インドの会社で従業員として働く。
・会社設立が終わり、インドの会社の経営者として売上が発生する業務を始める。

 さて、インドでビジネスをする際のビザについて要点だけ書いてきましたが、イメージできましたでしょうか?

 今回、取り上げた、インド側で発生する「外国人登録」や「ビザ更新」、「銀行口座開設」、納税に付随する納税番号の取得(PAN)は、インドで活動するためにも非常に重要なことでありながら、対応する順番や申請方法なども含めて全体を整理した資料がないため分かり辛く、上手くいかずに時間とお金を浪費してしまうこともあります。

 実は私自身も苦労した一人であり、そういった方を少しでも減らし、不安を取り除けたらと思いサービスを提供し続けています。上記は弊社が得意とする分野であり、デリーを中心とした最新の情報を基にサポートサービスを行っておりますので、もしも不安に感じている方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

以下の弊社URLに問い合わせ先がございます。

http://www.xroad.co.in/

 さて、これで会社ができ、ビザも適切なものを取得したことで、ついにインドで本格的なビジネスを始める準備が整いました。

 次回は第2期最後となる第6回ですが、永遠のテーマとも言えるインド人社員の採用と接し方について私なりの考えを書こうと思います。

 

●雑談

 私はインドでも自分で車を運転してビジネスをしていました。

 日本人がインドで車を運転しているのは非常に珍しく、一般的な日本人であればインドのあの混沌とした交通状況で運転をしたいとは思わないし、駐在員なら会社が許可しないでしょう。しかし、運転手を雇うとその分人件費がかかりますし、なにより私が駐在員時代にドライバーの運転の荒さにいつもストレスを感じていたので、起業して車が必要になったタイミングで自分が運転する選択をしました。

 自分が運転するようになって分かったのが、地理だけでなく、実は混沌している道路状況やドライバーの運転には法則があり、それがわかると事故に遭う確率を下げて走ることができるのです(もちろん日本に比べて疲れますが)。ということで、私は今まで自分で運転していて怪我などに遭ったことはありません(インド人ドライバーが運転する車で気絶したことはありますが)。

 私はインドで運転免許を取得し、その後身分証明書としてパスポート以上に役に立ちましたが、運転をするだけであれば”国際運転免許証”という手段もあります。

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 日本とインドは道路交通に関する条約(通称:ジュネーブ条約)に加盟しているため、国際運転免許証でインドでも車を運転することができます。
国際運転免許証は各都道府県の運転免許センターか、国外運転免許センターで交付を受けることができます。埼玉県の大宮にある国外運転免許センターの場合、今までは全部申請当日30分以内で交付されています。

 さてさて、この雑談を読んでインドで運転をしようかと思った方。
私からのアドバイスは「非常事態のために免許証を確保するのは良いですが、インドでの運転は疲れるだけですのでお止めになった方が良いですよ」です。

 ちなみに今は私が運転を教えたインド人マネージャーが車を運転してくれますので、デリーで車移動の際は、私は助手席でカーナビ担当するだけです。

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著者プロフィール

佐々木様写真

佐々木克仁(ささきかつひと)
Xroad Solutions Private Limited
Managing Director(代表取締役)

 

 

Xroad Solutions Private Limitedの代表取締役。インド駐在時代に人材事業、インド企業在籍中に教育事業に携わり、2012年5月にインドで会社を設立。インドの首都デリーで日本人の特に個人向けのサービスを提供している。ドライバー付きの運転手が一般的なインドでも自身で車を運転して移動するなど、日本視点だけでなく、インド視点からも出来事を分析し、より深い日印の相互理解を目指している。2014年10月より日本在住。

Facebook:https://www.facebook.com/sasaki0
ブログ:http://ch.nicovideo.jp/sasaki

 

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