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インドのITインフラ

コラム「インド拠点におけるITインフラの構築と活用」vol.2

 インドのITインフラ
 Sanzo Infotech India Private Limited, Managing Director
 山田 則光
 2016年6月9日   


 さて、今回から本題の海外拠点におけるITインフラの話に入ります。一言でITインフラといっても、拠点運営に必要な要素は大まかに以下の3つに分けられます。 

・ハードウエア(HW):PC、サーバー、プリンタ等のコンピュータ機器および基本ソフト
・ネットワーク(NW):SWハブ、ルーター等のネットワーク機器およびインターネット回線
・業務ソフトウエア:会計、生産管理等の業務処理を行うソフト 

  前二者をひとつの業者が担当し、業務ソフトを別の業者(弊社も含まれる)が担当するケースが多いです。まず今回は、弊社の本業から外れますが、これまでの経験からHWとNWについて主要な機器を解説します。
※この記事をお読みになられて個別に質問・相談を寄せられても回答いたしかねますためご了承ください。 

 

 最初にITインフラを構成する要素を図示した概略図を載せますので、こちらを参照しながら各説明をお読みください。

 

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PC関連

・PC(パーソナルコンピューター)

みなさんご存知のパソコン本体です。

本体に内蔵されるCPU、Memory、Hard Diskなどの電子部品とモニター、キーボード、マウスなどの入出力装置から構成されます。10年以上前とは違って、ここ数年はPCの性能が十分に高いので、気にするケースは稀です。

据え置き型のデスクトップタイプと持ち運び型のラップトップタイプがあります。日本では後者をノートパソコンと呼びますが、海外では一般的にラップトップ(Laptop)です。

 

・Windows(ウインドウズ)

もはやデファクトスタンダードとなっているMicrosoft社のOperating Systemで、PCの動作に必須のソフトウエアです。

同社は数年おきにシステムをバージョンアップしますが、2016年6月現在の最新バージョンはWindows10です。

なお、英語版Windowsにおいても日本語表示や日本語入力は可能ですが、実際に設定できるかどうかは業者の能力次第です。

気を付けるべきポイントとしては、個人向けに販売されているPCには通常HomeEdition(家庭版)がプリインストールされていますが、社内でファイル共有用のサーバーを運用する際は、アクセス権設定の関係からProEdition(プロ版)の購入をお勧めします。

 

・Office(オフィス)

同様にMicrosoft社のOffice suiteです。具体的にはWordやExcel、Powerpointなどの会社業務全般に利用される一連のソフトウエア群をいいます。

エディションによってPowerpointやAccessが含まれていたり、いなかったりするので確認してください。 2016年6月現在のバージョンは2016です。

 

・Antivirus(アンチヴァイラス)

いわゆるウイルス対策ソフトです。

有名なソフトベンダーはSymantec, Trendmicro, Macafee, Kasperskyなどで、どれも似たような機能と価格水準で提供されています。現地ではインドオリジナルソフトのQuick Healがポピュラーです。

どのソフトでも通常は1年ごとにパターンファイルのアップデート権を購入する必要があります。

 

・UPS(ユーピーエス)

PC用の無停電装置です。停電の多い新興国では当たり前のように用いられます。ラップトップにはバッテリーが内蔵されているので不要ですが、デスクトップには必須と言えます。

容量は1台につき500VA[ボルトアンペア]くらいが普通で、概ね20分程度電力供給します。

 

サーバー機器(Server & peripherals)

・Server(サーバー)

サーバーは端末(クライアント)に対し何らかのサービスを提供するシステムの総称です。

用途としてはファイル共有やERPなどの業務システム、ANTIVIRUSのパターンファイル配布用などがあります。通常、サーバーとして用いられるマシンは、PCより高性能、高信頼性であると同時に高額です。

重要なのはハードディスクを複数枚構成(RAIDと呼ばれる)にし、障害耐性を高めることです。

 

・Windows Server OS (ウインドウズサーバーオーエス)

サーバーマシン用のWindows。

PCと異なり、複数の端末から利用されること前提としていて、そのための管理機能が豊富です。

ライセンス形態は複数ありますが、サーバー本体用のライセンスとともに、アクセスするPCの数に応じてCALと呼ばれるクライアントライセンスも購入する必要があります。

 

・TapeDrive(テープドライブ)

データバックアップ用のテープメディア記録装置。

昔からよく利用されてきましたが高額なため、最近はつぎのネットワークHDDに置き換わられつつあります。テープカセットをサーバールームとは別の場所に保管したいときに用います。

 

・NetworkHDD(ネットワークハードディスク)

LAN経由で利用できるハードディスクで、NAS(Network Area Storage)ともいいます。

サーバーマシンの外部記憶装置としてバックアップに利用できるほか、単体でもファイルサーバーとして運用できます。

 

・Server UPS(ユーピーエス)

サーバー用の無停電装置ですが、ネットワーク機器ともよく共用します。

PC用と異なり、より大容量・高信頼性の機種が必要となります。停電時に安全のためサーバーを自動でシャットダウンしてくれる機種もあります。

容量の目安としては、サーバー1台とその他Rack内のネットワーク機器併せて2KVAです。

 

・Server Rack(サーバーラック)

ネットワーク機器および配線、サーバー、UPSなどを収納する筐体。

横幅は19インチで高さは小型の物から42U(約2メートル)のものまであり、将来を考えて大き目の型を選んでおいた方が無難です。奥行きが寸足らずにならないよう注意。

 

今回はここまで。

次回に続きます。

 

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<雑談:海外事情こぼれ話、とくに新興国>

海外では環境や風習の違いから、予想もしなかったことが起こります。

・電源コンセントがゆるゆるで、プラグがすぐに抜けてしまう。

・雷や自家発電機のサージで電子機器が壊れてしまう。(焼け焦げることもあります)

・砂埃がひどく、PC内部のファン部分が詰まってくる。

・PCのメモリがこっそり抜き取られる。

・LANケーブルをネズミに齧られる。

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著者プロフィール


山田 則光(やまだ のりみつ)
Sanzo Infotech India Private Limited
Managing Director(代表取締役)

日本の情報システム会社にてプログラマーと経営企画を経験した後、経済成長するアジアに興味を持ち、海外の日系企業に転職する。中国・上海市、ベトナム・ホーチミン市にて日系企業向けシステム導入業務に携わる。ベトナム在勤中に、インドでは業務システムについて相談する相手もなく困っているとの話を聞き、現地行きを決意。2010年2月にSanzo Infotech India Private Limitedをインド・ニューデリーに設立、同社代表取締役に就任。インド独自のERPソフトであるTallyの導入、SAPやMSなどのグローバルERP導入を行う。

URL:http://www.sanzoinfotech.in/

 

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