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【エレクトロニクス】日系家電メーカー、中国市場を経てインド市場に再挑戦

近年インドの家電業界では、サムスン電子やLGを始めとした韓国勢が日本大手家電メーカーを駆逐し、50%以上の市場シェアを占め業界を牽引してきた。しかし、過去数年にわたる中国市場への注力を経て、日本勢は今再びインドで積極的な事業拡大を計画しているようだ。

ソニー、パナソニック、日立、ダイキン、シャープ等を始めとする日本の大手家電メーカーらは、過去18-24カ月間で総額800億ルピーをインドに投資すると表明した。これらの投資は製造工場の建設やマーケティング活動、製品のローカライズを目的にしている。また一方で韓国勢も同期間中に400億ルピーを投資し、200億ルピーの追加投資を表明している。
インド市場における日本勢の攻勢は、明仁天皇の訪印に後押しされたようにも見受けられる。明仁天皇は、2013年11月末から12月頭にかけて1週間の公式訪問を実施した。インドへの訪問は53年ぶりとなる。インドのManmohan Singh首相が平時業務から外れて、個人的に天皇を出迎えた事実が、ことの重大さを際立たせている。
日本企業のインド市場に対する興味は家電メーカーに限らず、近年では日本のFMCG企業もインド進出を検討し始めている。インスタント麺のTop Ramenを販売している日清食品や飲料メーカーのサントリーもインド市場への投資を拡大させている。
この動きは、中国以外の市場に投資することにより中国市場への依存を軽減させるリスク回避の戦略とも見られる。業界に精通したコンサルタントによると、「日系企業は長年注力してきた中国市場から一歩離れ、アジア諸国の市場への投資をバランスよく調整しようとしている」と語る。

先進国市場における需要が停滞している一方、インド市場における日本ブランドへの需要は依然高いままだ。2012年度には75億ドルの損失を出したパナソニックは2013年度までに黒字転換するために、インドのように需要が拡大している新興国市場への注力を図る。

若年層の拡大、市場の潜在力や日本から対内投資を誘導するための政策等、これらすべてが日本企業によるインド市場への関心を向上させている。
パナソニックは既にインドで二拠点目の製造工場を建設するために150億ルピーの投資を表明している。同工場では、エネルギーや高解像度のビデオ会議ソリューション等のB to B商品が製造される予定だ。また、同社はインド市場におけるマーケティングや広告活動のために、2015年3月末までに約2億5,000万ドルの投入を計画している。
インド事業への投資に積極的なのはパナソニックだけではない。日立もインドで工場を建設するため、2016年3月までに約470億ルピーの投資をする方針である。日立インド法人の中西宏明社長は、最近のインド取締役会議で2015年度までに2,000億ルピー以上の売上を目指すと発表している。
また、サムスン電子やLG社等の韓国企業が積極的な価格競争、製品のローカライズや充実した製品ポートフォリオの展開によりインド市場を獲得したことから、去年多くの日系企業が自社製品の価格を10-20%値下げしている。
2010年第三四半期にインド市場への参入を試みた赤井電機も、インドで市場シェアを獲得するために低価格戦略をとっている。
Sony India営業部門の責任者Sunil Nayyar氏は、かつてインドのビジネス誌Business Standardのインタビューで、インドは同社にとって非常に急成長している市場だと述べている。同社の経営幹部らによると、2012年度にはソニーグループ全体においてインド事業はアメリカ、中国、日本に次ぎ第4位の重点事業へと上昇した。インド事業の拡大はノートPCや液晶テレビ等の売上が二桁の成長率で拡大している為である。昨年、Sony India社の売上高は前年比30%増の820億6,000万ルピーであった。同社は2015年までに現在の約3倍にあたる売上高2,000億ルピーを目指している。
インドにおいてSony India社は工場建設に未だ踏み切れない一方で、シャープはエアコン、冷蔵庫や電子レンジ等の為の工場の建設に約70億ルピーを投資すると表明している。また、インドで年間約20%の成長を遂げているエアコンメーカーのダイキンは、インド全土への展開に向けて33億ルピーの投資を発表している。
業界関係者によると、ソニーやパナソニック全体の売上高に占めるインド事業の割合は現在3-5%に過ぎないが、両社は数年以内に少なくとも10%を達成する狙いだ。北米、欧州、日本など先進国市場の衰退がインド市場への転移の主な理由だと見られる。

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