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【アルコール】サントリー、インドの大手酒造Radico Khaitan社への出資に向けて交渉

インド国内第4番手の酒造メーカーRadico Khaitan社は、日本の老舗酒造メーカー、サントリー・ホールディングス社に一部の自社株式を譲渡するための交渉を行っている。同取引に詳しい関係者によると、“Magic Moments Vodka”や“8 PM Whisky”の展開を手掛けるRadico Khaitan社は、自社株式の26%をサントリーに譲渡する見通しだ。

Radico Khaitan社の時価総額は2013年度の営業利益の約20倍にあたる350億ルピーであり、サントリーからの出資額は約87億ルピーで現在交渉が進んでいるようだ。同業界では、2012年11月にイギリスの大手飲料メーカーDiageo社がUnited Spirits (USL)社の株式53.4%を取得している。USL社の時価総額は同社の営業利益の20倍にあたり、取引額は約1,200億ルピーであった。

Radico Khaitan社Marketing部門Senior VPのRahul Gagerna氏は、インドの現地紙が報じた取引額について、「単なる憶測であるためコメントするつもりはない」と述べている。

前述の関係者によると、両社の交渉内容には買収後、株式23%を追加出資することも含まれているという。また、Radico Khaitan社の創業家のKhaitans一族は蒸留酒製造事業における権益を保持し、サントリーへは委託業務を担うとのことだ。

2011年から始まった買収の商談は過半数支配による利権問題により着地点には至っていないものの、Radico Khaitan社は交渉開始から現在までの間、サントリーの代表的なウイスキーブランド「山崎シングルモルト」や「響」などのインドにおける販売権利を取得し、両社の提携関係は着実に進展している。

インド国内における蒸留酒販売量は現在2億6,100万ケースであり、2017年までには3億6,000万ケースに増大すると推定されている。サントリーを含む世界中の蒸留酒メーカーは同国における需要拡大に注目し、インドを次なる重点市場として位置付けている。

国内における蒸留酒の総販売量において、Radico Khaitan社は1,800万ケースを占めており、“8 PM Whisky”ブランドのみでも400万ケース以上を占めている。サントリーはM&A戦略に重点を置き、インド市場の攻略を狙ってきた。同社は2009年にインド大手ワインメーカーIndage Vinters社への資本参加に失敗しているが、今回Radico Khaitan社からの出資が成立した場合、インド市場において独占的な立ち位置を確立することになるだろう。

USL社を買収したDiageo社は、今やインド蒸留酒市場において50%のシェアを占めている。また、フランスの蒸留酒大手Pernod Ricard社の販売量は約2,600万ケースであり、内資のABD社は約2,500万ケースだ。

ABD社執行役員Deepak Roy氏は、「外資系メーカーによる参入が増加すると共に、インド蒸留酒市場ではプレミアム製品の普及が進むだろう。」と語る。

Radico Khaitan社は、元々はUnited Breweries社、Shaw Wallace社、Mohan Meakins社から委託生産を行っていたが、1996年に自社のウイスキーブランド”8 PM”を発売した。しかし同社にとって転換期となったのは、ウォッカブランド“Magic Moments”を発売した 2006年であった。同社は現在インドのウォッカ市場において年間280万ケースを販売し、約30%の市場シェアを占めている。2013年度の純利益は、前年度比21%増の7億7,000万ルピーに到達した。

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