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【教育】官民連携による教育インフラ整備

インド最高裁判所は、教育権利法の基準を満たすため州政府に対し、インドの全ての学校に適切な施設(トイレ、飲料水、教室、教師等)を6か月以内に整備するように指示した。

インド政府は現在の教育予算を対GDP1%から1.5%に増額する。今後10年で1,500億ドルの投資が必要という予測もあるなかで、今必要なのは教育関連インフラを定められた期間内に整備することだ。

品質が標準化された教育の実現は、数百万の子ども達だけでなく国の将来にも関わり、その実現において民間の力を借りることは最も有効な手段の一つとみなされている。

PPP(官民パートナーシップ)モデルは5つの要素からなり、インドの教育を変え、そして社会的弱者層のエンパワーメントを実現することが期待される。

 

1. “Anganwadis”
これは政府が実施する事業「子どもの統合的発達サービス(Integrated Child Development Services, ICDS)」の一つで、3~6歳児の身体能力や認識機能、感情、社会性、識字能力等を育成するのに重要な役割を担う。

Vedanta Groupは既にAnganwadiプログラムの一環としてPPPモデル事業に取り組んでいる。このモデルでは学習に主軸が置かれており、当プログラム関係者向けに教育や医療に関する研修を行うことで、よりよいプログラムの実施ができるように企画されている。また子どもに対しては政府から栄養補助食品が提供され、子どもの栄養状態の大幅改善にもつながっている。また補助教材によって初等教育を受ける子ども達が楽しみながら学べる環境をつくる。最貧困地域の読み書きのできない親に対して、教育を通じて健康的でより良い人生につながるということを理解してもらうことで、子どもを通学させる動機づけを起こす。

 

2.教育関連インフラ整備と教育への公正なアクセス機会の創出
ある村では子ども達が初等教育を修了しているにもかかわらず、交通機関の不足や道路の未整備等のインフラ制約により他の村の教育施設に通うことができず、進学をドロップアウトすることが起きている。

DAVは政府と連携して英語中心の中等学校をオリッサ州のKalahandi地区Lanjigarthに開設した。部族コミュニティに属する子どもも通学でき、都市部の学校と同じ水準の教育を受けさせる重要な取り組みだ。

 

3.昼食プログラム
インドのように依然として栄養問題を抱える発展途上国では、学校で昼食を提供することは非常に重要だ。子どもに持続的に栄養補給がなされることは、心身ともに健康状態を保つために欠かせない。本プログラムにはInfosys、Vedanta、Tataを始め多くの企業が参画へ手を挙げた。本プログラムは食糧問題の改善という面以外にも学校への出席率の改善効果も見られている。

Vedantaは、Naandi Foudation等のNGOと連携して、2,710校、計25万人以上の子ども達に毎日給食を提供するためのハイテク集中調理施設の設立へ向け動いている。

 

4.eラーニング等の補助教材の作成
Vedanta財団やAzim Premji基金等の寄付による基金は、州立校向けのeラーニングカリキュラム作成に取り組む。これらはコンピューター教育の普及効果と、地域による教育の質格差を埋めることにも貢献した。

 

5.貧困層向けの高度教育の提供
薬学やエンジニアリングといったより高度な教育を貧困層の子ども達にも提供できることである。多くの民間企業から参加を募り、インド全土にその教育センターを展開するプログラム「Super30」に関して、Vedanta財団はまたマハラシュトラ州とラジャスタン州のSuper30センター設立に協力した。

このような取組みにより、子どもが最高峰の教育機関で学ぶことを実現するだけでなく、将来の産業の担い手となる労働力確保にもつながる。

 

教育に関するリソースが不足し、人々の教育に対する動機づけが低いインドでは、官と民が連携したプログラムを実施することが、品質が標準化された教育の実現するために必要だ。多様な地域性を内包するインドでは一つの万能なモデルのみで問題を解決することは難しく、また民間との連携のみでなく政府側の踏み込んだ施策が必要となる。

PPPの動きはすでに始まっているが、より多くの民間企業の力を活用することが早急に求められる。

 

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