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【経済】多国籍企業による対インド投資、今後も積極的な見通し

需要縮小と予測不可な経済状況の中、インドの国内産業は新規投資に対して慎重な姿勢を示している。しかし一方で、国外の企業たちは未だインドの成長ストーリーに確信を持っている見通しであり、多国籍企業及びそれらの合弁会社は今後数年間でインドに合計約1兆8,500億ルピーを投資すると発表している。

これらの投資はFMCG、耐久消費財、自動車、電気通信、航空、小売や製薬業界等のB to C業界に投入される見通しだ。インド準備銀行(Reserve Bank of India)のデータによると、多国籍企業による海外直接投資(FDI)は2012年度で総額182億8,000万ドルを超える。投資の目的は、生産能力の拡張、新製品開発、流通網の開拓やベンチャー会社への出資増加等、様々である。

最も活況を呈している投資先はFMCG部門であり、特に世界最大の飲料メーカーCoca-Cola 社やPepsiCo 社、Hindustan Unilever 社に対抗するProcter & Gamble社らによる巨額の投資が目立つ。インドにおけるFMCG企業は、合計で約8,500億ルピーを投資すると発表しており、これは国内全体の投資額の約半分の額となる。
PepsiCo社会長兼CEOのIndra Nooyi氏は、同社のみで2020年までにインド事業に3,300億ルピーを投資すると発表している。また一方で、Coca-Cola 社は2012年6月に50億ドルの投資を表明した。2020年までの2社の投資額は合計約5,800億ルピーを超える。
PepsiCo社は当投資により、インド市場における浸透の促進、800万の小売店への流通、及び冷蔵技術の改善を目指しており、それには冷蔵庫、トラック、ボトリング工場やイノベーションが必要であるとのことだ。
また、Procter & Gamble社も今年度初めに、今後5年間で10億ドルを投資するという驚くべき計画を発表した。現在、同社の新興国事業の売上高においてインド事業が占める割合は5%に過ぎない。同社は、2025年までに世界全体における新興国事業のシェアを38%から50%に引き上げる計画だ。
一方で、Procter & Gamble社最大のライバルであるUnilever社は、数カ月前、インド法人の株式保有比率を52%から67%に増加させるために1,900億ルピー以上を投入している。

また、インド耐久消費財市場で韓国企業に敗れてきた日系企業も、韓国企業に追いつくための大型投資に打って出ている。日系の家電大手Hitachi社は、2016年3月までに5つの工場を新設するために470億ルピーを投資すると昨年12月発表した。Panasonic社とDaikin社も韓国企業に対抗し合計650億ルピーを投資する見込みだ。

Technopak社の会長Arvind Singhal氏は、「米国や欧州の市場縮小により、インドは新たな成長市場として台頭してきた。また、近年ではブラジルやロシアの市場が去年落ち込み、中国も厳しい市場である。したがって、潜在力が大いに存在するインドは今や最大の投資先となっている」

外資企業とは対照的に、インド内資企業のインド市場への投資は消極的である。Singhal氏は、「外資企業と違い、国内の消費財、小売やFMCG企業らの財務状況に余裕はない。非現実的な多角化戦略により、彼らは過大な借入金を抱えている」と解説する。

自動車業界においても似た傾向が見られる。販売状況の落ち込みにも関わらず、投資は継続しているのだ。主に乗用車メーカーら8社は、2013年7月には合計で4,100億ルピーを投資している。Nissan-Renault社のCEO、Carlos Ghosn氏はこれまでの投資額の倍となる25億ドルを今後数年間でインドに投入すると発表した。同社は市場の下位層に着目し、市場シェアで最低15%を目指す。

米国の自動車メーカーFord社もまた、グジャラート州Sanandに工場を新設するために10億ドルの投資をしており、インド事業に力を入れているようだ。新工場により、同社の生産能力は2014年までに自動車で44万台、さらにエンジンで60万個にまで拡大される見通しだ。加えて、日系のSuzuki社もグジャラート州の工場建設のために350億ルピーを投資し、年間生産能力に25万台追加する計画だ。

通信業界では、2012年度はFDIが9,200万ドルにまで縮小したが今年度は回復傾向にある。現在同業界には2,400億ルピー規模の投資見込みがあり、そのほとんどが今年度中に投入される予定だ。こうした楽観的な見解の根拠としては、インド中央政府が電気通信部門におけるFDIの制限を74%から100%へと増率したことが一つある。また、同業界ではより利益的な関税の換価により事業者の利益が増加し、価格競争が終焉している。Vodafone社とTelenor社は、それぞれのインド法人における株式保有比率を増資するために、1,100億ルピー以上の大規模な投資を行う予定である
Vodafone India社CEO Martein Pieters氏は次のように語る。「私達はインドの事業機会について実に楽観的だ。過去2年間、規制状況の不安定には悩まされたが、今や状況は好転しており、我々の利益も向上している。」

航空業界については、新しく施行されたFDI規制の緩和により既に業界に動きが見られる。Etihad Airways社、AirAsia社やSingapore Airlines社はインドに250億ルピー以上の投資を計画している。また、Qatar Airways社等の多くの外資系企業が国内の航空会社への出資を検討しているようだ。

数々のFDI規制改正を経て、国内の小売業界はついに方向性が定まってきている。WalMart社やCarrefour社は未だに複合ブランド小売業への参入が出来ていないが、しかし、スイスの大手家具小売メーカーIKEA社はインドに出店間近だ。インド政府が最近発表した小売業のFDI規制はついに外資系企業による100%の株式保有を認め、単一ブランド小売業の参入は推進される方針となった。スウェーデンの小売H&M社もまたインドへ72億ルピーの投資を表明した。

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