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【経済】インド農村部での消費拡大、都市部の成長率を上回る

インド全国標本調査機構(National Sample Survey Organization: NSSO)が2007~2011年に渡り実施した個人消費データに関する調査によると、インドでは1991年以来初めて農村部における消費の成長スピードが都市部を上回った見通しだ。インド農村部における一人当たりの月間消費支出額(MPCE)は、2007年度から2011年度にかけて年率16.7%増の成長を記録した一方、都市部では15.6%増となった。

調査では主要17州の内、ハリヤナ州とウッタル・プラデシュ州を除いた15州においてこの傾向が報告された。グジャラート州とマハラシュトラ州に関しては、農村部および都市部で同率の成長が見られた。

NSSOの全国標本調査は5年に一度実施され、食品、タバコ&アルコール、燃料、交通費、衣類・履物、教育、医療・保健サービス、通信、耐久消費財、パーソナルケアや家賃などの消費項目に関する支出データが統計される。
2011年度に発表された最新データによると、都市部における消費支出額は2007年度に92%増の成長を見せた一方、2011年度には86%増に縮小した。

農村部地域における著しい消費拡大に伴い、多くの州で都市部と農村部間の消費格差も急速に縮小している。例えば、ビハール州内における消費支出の増加率は農村部で17.2%であったのに対し、都市部では8.2%に留まった。また、チャッティスガール州でも農村部と都市部はそれぞれ15.3%と5.6%の増加率となり、増加率に大幅な差が見られた。

また、都市部の消費縮小による経済低迷、および売上減少に伸び悩む国内の消費財メーカー各社にとって、農村部での需要拡大は不況に打ち勝つための鍵となっている。その結果、インド国内におけるトップ消費財メーカー25社の累計売上高は2005年度以降、年間16.3%で増加している。

大手洗剤メーカーJyothy Labs社のCEO、Raghunandan氏は下記のようにコメントする。「農村部地域における需要の伸張は我々にとって重要な成長要因となっており、都市部の不活発な消費活動を補完している。」

セメント業界においても同じような傾向が見られる。インド北部の大手セメントメーカー、Shree Cement社のCFO、Ashok Bhandari氏は、「インドでは現在、農村や中小都市において建設ブームが訪れている。大都市で需要が縮小しているにも関わらず、国内全体で見ると需要は安定している」と述べる。同社は地元のラジャスタン州において2万5,000の販売代理店を構えており、近年はビハール州にも事業展開を始めた。

自動車関連業界においては四輪車の売上が伸び悩む中、農村部での需要拡大に伴い二輪車の売上は著しく成長しており、近年ではエントリレベルの100ccバイクが主流な交通手段として普及している見通しだ。

NSSOの調査によると、農村部の一般家庭で最も大きい消費支出となっているのは食費であり、2011年度でその割合は平均53%となった。その内訳は、穀物・穀物代理食品が10.8%、牛乳・乳製品が8%、そして野菜が6.6%である。非食品の支出では、調理用の燃料・照明が8%、衣類・靴が7%、医療費が6.7%、消費財が4.5%、そして交通費やその他サービス費がそれぞれ4%と報告された。
一方、都市部では、総支出に占める食費の割合は42.6%であり、その内、穀物・穀物代理食品は6.7%、そして牛乳・乳製品は7%であった。

インドの経済学者によると、UPA政権による農村部での穀物供給の支援強化、および農村労働者の所得向上を掲げる「マハトマ・ガンジー全国農村雇用保障計画」(Mahatma Gandhi National Rural Employment Guarantee Scheme: NREGS)の取り組みがインドの農村部における需要拡大を促進させている。さらに近年では農業だけではなく、建設、小売、修理サービス、交通、通信や金融サービスなど、新しい経済活動も農村部で活発化しており、消費拡大に貢献していると指摘されている。

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