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【経済】消費拡大によりインド企業各社が農村部に注目

過去10年間に渡りインドでは多くのFMCG企業が国内の遠隔地域において積極的な展開計画を打ち出す動きが見られたが、これからの10年間は自動車メーカー、通信、保健や銀行・金融サービス会社など、様々なB-to-C企業がこの巨大な市場に参戦していくだろう。インド国内にある65万の村の総人口は8億5,000万人に及び、このような業界の各社は消費者の所得と向上心が同時に上昇している農村部の市場に多額な投資を行っている。

既に先行している企業の中には、農村部市場が売上の3分の1を占めていることもある。Hindustan Unilever(HUL)社は同社の売上全体の約40%が農村部市場からきており、Maruti社とCoca-Cola社も約30%である。通信サービスAirtel社の場合も、国内利用者860万人の約3分の1が農村部に住んでいる。
農村部が抱える多くの課題によりこれまでは参入が困難であったアイスクリームメーカーなどの企業も、近年では市場への挑戦に出始めている。大手乳製品メーカーAmul社は、農村地域においてアイスクリームパーラーの展開を開始し、その売上は都市部よりも好調であると報告されている。農村部では人々が想像する以上に、アイスクリーム、チョコレート、バター、チーズやピザなど、都会的なイメージを持つ商品の需要は大きいようだ。

農村部における一人当たりの消費支出額は、2009年から2012年の間に年率19%のペースで増加したと報告されている。Amul社の販売代理業者Gujarat Cooperative Milk Marketing FederationのR S Sodhi社長によると、農村部では5ルピーや10ルピーの離乳食や乳性クリームなどの商品が人気であり、10グラムや20グラムで販売されている小分けのバター商品も、農村部でAmul社のブランド浸透に大きく貢献している代表的な商品となっている。

最近ではCoca-Cola India社も1本5ルピーという革新的な新価格の商品を発売しており、同社のVenkatesh社長によると、農村部市場は最も急速に成長している市場として位置付けられている。

これらの企業が基準とする農村部市場の定義は、人口10,000人以下の地域、または住民のほとんどが農業に従事している地域、場合によって両方の条件が該当する場合とされている。

<自動車業界>
インドの大手自動車メーカーMaruti Suzuki社の国内の店舗売上において、農村部での売上の割合は31%である。5年前この割合はわずか8~9%であった。同社Marketing & Sales部門のCOO、Mayank Pareek氏は、「都市部では売上が低迷している中、農村部では飛ぶように売れている。今年度は国内10万の村への展開を目標に流通を拡大させる予定だ。」と述べる。

<モバイル業界>
デバイス本体や通信料金の低価格化による需要拡大に伴い、インドでは通信業者各社も農村部への事業展開を急いでいる。Airtel社の関係者は下記のように述べる。「我々の”Airtel Money”のようなサービスを利用すれば、ユーザーはモバイル上でお金を振り込んだり、光熱費を支払うことができる。このようなサービスは農村部で迅速に普及が進んでいる。携帯電話を通じてインターネットを始めて体験する人も多いだろう。」同社の通信ネットワークは、現在インド国内46万以上の村や町をカバーしている。

<銀行・保健サービス業界>
農村部の消費者が自動車や携帯電話を購入しているのであれば、銀行サービスの需要もあるはずである。国内のICICI Bank社の支店の内、現在は半分が農村部もしくは郊外地域に設置されている。また、ここ18ヶ月で新しく開設された支店の60%が農村部に位置しており、その内の400支店以上がそれまでは銀行施設がなかった村となっている。同社のExecutive Director、Rajiv Sabharwal氏は、「過去3年間で当社が開設した普通口座の件数は1,700万件以上に及ぶ。」とコメントする。

コンシューマー商品以外でも、Philips社のような企業は農村部におけるヘルスケア商品やサービスの欠如に対して動きを見せる。Philips Electronics India社Marketing部門のHead、およびインド支店のVPを務めるVivek Sharma氏は、「ヘルスケア業界における技術ソリューションの提供や手頃な照明商品の展開は、農村部における生産性や所得を向上することに貢献できると考えている。」と述べる。

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