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【経済】日系企業の撤退が続く一方、インド市場への期待変わらず

日本の大手2社、Daiichi Sankyo社やNTT Docomo社がインド市場からの撤退を発表したことは、日本の投資家がインドへの投資に慎重になっているという印象を与える。しかし一方で、金融や飲食の分野においては対印の投資が活性化している様子も見られ、製薬業界や通信業界においても必ずしも消極的な傾向ではない見通しである。

インド第二位の調剤メーカーLupin社の前社長Satish Khanna氏は、「第一三共とNTTドコモは撤退を決意したが、日本の投資家がインドへの関心をなくしている訳ではない。様々な業界において急成長を遂げているインド市場に興味を持つ投資家は非常に多い。」と述べる。

数か月前、日本のMitsui Global Investments社はGoldman Sachs社と共に、かつてGodrej Consumer Products 社のMDを務めたArumugam Mahendran氏により創設されたベンチャー企業に対し31億5,000万ルピーを投資した。さらに、日本の大手投資ファンド兼ネットベンチャーのNetprice.com社は、2013年12月にインドのモバイル決済サービス事業CitrusPay社に投資し、インドの決済サービス市場に参入した。

さらに、売上規模230億ドルの日系飲料大手Suntory Holdings社は、インドの酒メーカー買収を狙っており、これまでにTilakanagar Industries社やRadico Khaitan社と交渉を行ってきた。大手醤油メーカーのKikkoman社、カップラーメン最大手のNissin Foods社もまた、合弁や買収などを視野に入れインド市場への投資を推進させる見通しだ。

投資銀行Singhi Advisors社の創業者Mahesh Singhi氏は下記のようにコメントする。「日本のHitashi社、Mitsubishi社、Sony社、Panasonic社、Toshiba社やAica社などによる投資のおかげでインドの消費財、電力、金融サービス、IT、工業やエンジニアリングなどの業界は健全に発展している。」

これらとは別に、インドのReliance Industries社は石油化学プラントの拡張やガス化装置の設置のために、JBIC(国際協力銀行)やNEXI(日本貿易保険)が率いる日本の銀行グループから5億5,000万ドルの借款を受けた。

また、インド最大のIT企業Tata Consultancy Services (TCS)社も、同社の日本法人Tata Consultancy Services Japan(TCSJ)社、Mitsubishi社とTCSJ社の子会社Nippon TCS Solution Center社、及び三菱グループのIT Frontier社の3社を統合させ、Mitsubishi社との間で新たなITサービス企業を立ち上げた。

しかしインドの規制の複雑さに関して専門家は、プロセスの簡略化やより多くの日系資本を誘致するためのインフラ整備の必要性を主張している。Jawaharlal Nehru大学の Prabhakar氏は、次のように語る。
「インドでは未だに日本からの投資を誘致するために十分なインフラが整っていない。また、土地買収、税金や労働法などに関わる規制の改正も必要だ。安倍政権は成長戦略の第2弾を6月に発表する予定であり、インドが規制改革を押し進められれば、日本からより多額の海外直接投資を引き寄せられるだろう。」

現在、インドにとって日本は第4番目の投資元であり、日本からインドへの海外直接投資額は2000年4月から2013年3月にかけて約145億ドルであった。また、2004年度から2011年度にかけて2国間の貿易額は約3倍の185億ドルへと拡大している。インド国内には1,000社以上の日本企業が事業展開している中、市場リーダーとして確立しているのはMaruti Suzuki社を含むわずか数社に過ぎない。

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