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【教育】インド初等教育 私立学校増加も、教育品質の低下に懸念

【私立学校の入学増】
インドの教育NPO Prathamのレポート“the Annual Status of Education Report 2012 (ASER)”によれば、インドにおける6-14歳の生徒の私立学校への通学が増加傾向にあるようだ。

全国16,000の学校を対象に行われた同調査によると、私立高校の入学者数の比率は2006年時点で18.7%であったのが、2012年時点で28.3%にまで上昇している。また、ここ3年間で私立学校の入学者数は10%増加しており、この傾向が続くならば、2018年までに農村地域でも全生徒の半分が私立学校に通うことになる。

2012年には、ジャンムー・カシミール州、パンジャブ州、ハリヤナ州、ラジャスタン州、ウッタル・プラデーシュ州、ゴア州、メガラヤ州では、全生徒の40%以上が私立学校に入学した。ケララ州とマニプール州でその割合はより高く、60%が私立学校に通っている。

同調査によれば、公立私立に関わらず、インド農村地区の初等教育(1年生から8年生)に通う生徒の4分の1は、家庭教師を利用している。2012年の時点で、都市部及び農村部、1年生から8年生までのすべての生徒のうち、45%は私立学校または家庭教師を利用していることがわかった。

 

【読解力の問題】
このような私立学校や家庭教師の利用状況の高まりの一方、私立学校や公立学校の双方で教育の質の低下が明らかになっている。同調査によると、2010年の時点では小学5年生の生徒の半数以上がstandard IIテキストブックを読むことができた。しかしながら、この割合は2011年で48.2%、2012年で46.8%にまで低下している。

私立学校と比較して、公立学校の生徒においてリーディング能力の低下が著しい。公立学校の小学5年生のうち、小学2年生 レベルのテキストを読むことができた生徒の割合は、2010年で50.7%、2012年で41.7%であった。

 

【計算力の問題】
2012年は「インド数学年(National Mathematica Year)」に定められていたが、生徒の基礎算数力という観点では看過できない年であったと同レポートは指摘する。2010年、小学5年生の生徒のうち10人に7人は2桁の引き算の問題を解くことができた。この割合は、2011年には10人中6人、2012年には10人中5人にまで減少している。アンドラ・プラデーシュ州、カルナータカ州、ケララ州を除く主要な州では、算数の習熟度の深刻な低下の兆しがみられた。

同調査では、全国の公立学校に通っている小学5年生を対象に、基礎数学力について比較している。それによると、2011年と2012年の間に、基本的な引き算を行う能力が10%ポイント低下していることがわかった。例外的にアンドラ・プラデーシュ州、カルナータカ州、ケララ州では、2011年と比較して変化がなかったか改善が見られた。

 

【学力低下の背景】
Prathamの創設者であるMadhav Chavanによれば、学習レベルの低下は、小学校の試験を禁止した教育権利法の施行に関連する可能性があるという。学校に通う子どもたちは学年は上がるにつれて減っており、小学3年生、小学5年生にまで達した子どもたちがリーディングと算数の基礎を学んでいる、と同氏は話す。

「子どもたちが何かより良い他のことを学んでいるという証拠でもない限り、この指標は深刻な学力低下を意味している。教育権利法により評価と試験が廃止されたことで、子どもたちを抑止することができなくなり、学校教育の弛緩を生むことになったのではないかという感覚がある」(同氏)

 

 

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