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【日系企業】日系企業各社、インド現地管理職への権限移譲を推進

Panasonic India社社長伊東大三氏は、近頃、会社の事業方針を決める会議よりもむしろ、インドのビジネス環境や消費者文化の研究に熱心だ。彼曰く、ビジネス環境や消費者文化は数百キロメートルごとに異なるものなのだという。

同氏は過去5年にわたり同社のインド展開における基礎固めに注力してきており、「私の仕事は今や、メンターとしてインド人の優秀な人材を育てることと、インド支社と日本の本社間の架け橋として振る舞うことが多くなっている」と語る。

また、会社のマネジメントに関しても、従来のような日本人による体制から現地インド人による管理体制への権限移譲にも検討を進めているようだ。過去数ヶ月、同社のほかにもキヤノンや東芝、トヨタ、日立など日系各社において経営上層部に熟練したインド人管理職達を配置・昇格させる動きが見られる。日本企業の変化は、成功している韓国の複合企業LG・サムスン・現代が、インドにおいても韓国人によるオペレーション管理を継続しているのと対照的だ。

東芝はSanjay Warke氏を、ラップトップ、デスクトップ、テレビ、洗濯機、冷蔵庫などの消費者向け製品のインド事業責任者として任命した。当時のインド人社員としては前例のない地位であった。
またキヤノンはベテランのAlok Bharadwaj氏を、会社のオペレーション・セールス・マーケティング・サービスの責任者である執行副社長に昇格させた。

自動車大手のToyota Kirloskar Motor社は2名の上級管理者を昇進させた。MD(コマーシャル)を担当していたShekar Viswanathan氏を副社長へ、MD(セールス、マーケティング、カスタマーサービス)を担当していたSandeep Singh氏をMD兼COOにしたのだ。

同様に、日立の9の全子会社における常務はみなインド人である。

「こうした動きは、もしインドで生き残り勝ちたいのであれば、ローカライズ製品を市場に精通したインド人によって売らなければならないことを、一部の日本企業が理解してきた証だ」と、ハイデラバードのインドビジネススクール戦略学助教授Ravee Chittoor氏は述べている。「本社中心による日本のマネジメント体制から現地によるマネジメント体制に移行することにより、生産プロセスにおいて莫大なコスト削減を可能にする」(同氏)

 

上記のような日系企業の動きに対して韓国勢の動きは反対だ。インドLG社の前MD担当であり、インドで最も成功した専門家の一人であるKR Kim氏は、韓国企業のこうした動きの原因が企業文化の違いにあるとする。「日本企業は、労働者を敬う合意志向のマネジメント形式で、実に民主的だ。一方で、韓国企業は、軍隊形式で、独裁的で素早い決断の文化だ。ビジネスは戦争ゲームのようなものなので、素早い判断と迅速な行動を要する。こうした要素が日本企業には欠けており、従って韓国企業との市場競争に負けてしまう。」しかしながら、Kim氏は自身が例外であり、インド人マネージャー立ちに力づけられたと言う。

日本企業各社はインドを、日本にとって最大の市場である欧米が購買力の低下により衰退する際の、次なる進出すべき成長市場と位置付け、各社ともに積極的な事業展開を進めている。

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